すこやかライフNo.47 2016年3月発行
医療トピックス:アトピー性皮膚炎 治療とセルフケアの最新動向
皮膚に塗るステロイド外用薬と、飲む経口ステロイドとはまったく作用のしかたが異なります。ステロイド外用薬は、正しく使うことで副作用を避けることができる薬です。
使い続けると副作用が起こるというよりも、ステロイド外用薬の副作用を心配するあまり、医師の指示どおりに薬を使わなかったり、中途半端にやめてしまったりすることで、いつまでもステロイド外用薬をやめられない状態に陥り、副作用が出やすくなってしまう恐れがあります。
自己判断で中断せず、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。
皮膚に炎症があり、湿疹やかゆみのある状態のときに、汗をかいてそのまま放っておくと、皮膚をかぶれさせて症状を悪化させる原因になります。汗をかいたらこまめにふいたり、シャワーなどで流す必要があります。
しかし、炎症がおさまり皮膚の状態がよくなると、アトピー性皮膚炎の人でも汗に抗菌ペプチドが含まれるようになります。さらに汗と一緒に皮脂も分泌されるため、保湿力も高まります。アトピー性皮膚炎だからといって汗をかかないようにするのではなく、悪化しているときはこまめに対処する、皮膚の状態がよくなったらむしろ汗をかいて皮膚の抗菌力や保湿力をあげていくことが大切です。