WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.50 2017年10月発行

小児ぜん息医療トピックス:ぜん息のある中学・高校生のみなさんへ「大人になる前に知っておいてほしいこと」

ぜん息と上手に付き合う方法 その2

これだけは守ろう!発作治療薬を使いすぎない

ポイント

  • 発作治療薬(短時間作用性β2刺激薬)だけに頼りすぎないこと。
  • もし、毎日のように繰り返し発作治療薬を使っているという場合は、治療を根本的に見直す必要があります。そのままにせずに、必ず主治医の先生に相談してください。
  • 発作が起きたときの対処法を覚えておきましょう。別添の『基礎用語(PDF:246KB)』を参照してください。

使いすぎはとっても危険!

ぜん息の発作が起こったときに使う薬が「発作治療薬(短時間作用性β2刺激薬)」です。気管支を広げる働きがあり、すぐに効き目が現れます。

この「すぐに効き目が現れる」ことが危険ポイント。すぐに楽になるので、ぜん息患者さんは発作治療薬だけに頼る傾向があります。しかし、長期管理薬をまったく使わずに発作治療薬だけを使っていると、気道の炎症がどんどん悪化し、ぜん息死の危険が高まります。

さらに、発作治療薬は使いすぎると効きにくくなるという特徴があります。また、「いつでも発作治療薬を使えばいい」と考えていると、病院受診のタイミングが遅れることもあります。いざ大きな発作が起こったときに発作治療薬が十分効かず、病院を受診するのも遅れ、命の危険にさらされるおそれがあるのです。

ぜん息治療の基本は「長期管理薬」です。気道の炎症がおさまっていれば、そもそも頻繁に発作を起こすことはありません。

図 薬の役割を整理しやすくするため、薬の名前や1日の使用回数や使用量を記入するチェックシート

橋本先生からのアドバイス

運動したときしか症状が出ません。だから大丈夫!?

症状が出るということは、ぜん息が本当には良くなっていない証拠です。症状によっては、薬の量を増やす必要もあります。お医者さんに相談し、長期管理薬をきちんと使い炎症をおさえましょう。

運動のときの発作を予防するには、準備体操をしっかりやること、事前に発作治療薬を使うことも有効です。

ぜん息と上手に付き合う方法 その2
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