すこやかライフNo.50 2017年10月発行
医療トピックス:ぜん息のある中学・高校生のみなさんへ「大人になる前に知っておいてほしいこと」
ぜん息の発作が起こったときに使う薬が「発作治療薬(短時間作用性β2刺激薬)」です。気管支を広げる働きがあり、すぐに効き目が現れます。
この「すぐに効き目が現れる」ことが危険ポイント。すぐに楽になるので、ぜん息患者さんは発作治療薬だけに頼る傾向があります。しかし、長期管理薬をまったく使わずに発作治療薬だけを使っていると、気道の炎症がどんどん悪化し、ぜん息死の危険が高まります。
さらに、発作治療薬は使いすぎると効きにくくなるという特徴があります。また、「いつでも発作治療薬を使えばいい」と考えていると、病院受診のタイミングが遅れることもあります。いざ大きな発作が起こったときに発作治療薬が十分効かず、病院を受診するのも遅れ、命の危険にさらされるおそれがあるのです。
ぜん息治療の基本は「長期管理薬」です。気道の炎症がおさまっていれば、そもそも頻繁に発作を起こすことはありません。
自分の薬の役割を知るために長期管理薬と発作治療薬を整理しましょう。ぜん息治療の基本は長期管理薬であることを忘れずに正しく使いましょう。もしわからない場合は、病院や薬局で整理してもらいましょう。
症状が出るということは、ぜん息が本当には良くなっていない証拠です。症状によっては、薬の量を増やす必要もあります。お医者さんに相談し、長期管理薬をきちんと使い炎症をおさえましょう。
運動のときの発作を予防するには、準備体操をしっかりやること、事前に発作治療薬を使うことも有効です。