WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.52 2018年9月発行

小児ぜん息現場レポート:調剤薬局から患者さんと家族を見守る-医療機関と連携した吸入指導の取り組み-

pMDI+スペーサーで上手に吸入するために

pMDI+スペーサー うまく吸入できないときのコツ

スペーサーを使用して吸入する際に、うまくできないときのコツを、手順に沿って青野さんに教えていただきました。

マウスピースタイプ

  1. 薬の容器をよく振り、スペーサーに付ける
  2. ボンベをひと押しする
  3. 息を吐く
  4. マウスピースをくわえ口を閉じる

    うまくできないときは、4 → 3 → 2 の順番でもOK

    4 スタンバイ状態をつくる
    まず、マウスピースをくわえたスタンバイ状態をつくっておきます。ひと押しした後、できるだけ速やかに薬を吸うためです。
    3 → 2 息を吐き切った瞬間にひと押しする
    スタンバイ状態のまま呼吸をしつつ、息を吐き切った瞬間に、ひと押しします。
    • スペーサーには弁が付いているので、吐いた息がスペーサーの中に入ることはありません。
    • 子どもが、ひと押しする力が足りないときは、保護者が、弁の動きを見ながら息を吐き切った瞬間を測り、ひと押しするのもよいでしょう(下図)。

    図解:子どもが両手でスペーサーを支え、保護者が両手を使って、ひと押しします。
    保護者がひと押しする場合のやり方

  5. ゆっくりと大きく吸入する

    うまくできないときは、呼吸法を指導する

    子どもに自分の胸をさわらせて、大きく息を吸ったときに「胸が大きくなること」を教えてください。

  6. 数秒間息止めをして、ゆっくり吐き出す

    うまくできないときは、息止めは無理して教えない

    息止めはせず、スペーサーをくわえたまま、数回、ゆっくりと大きな呼吸を繰り返します(5の状態を続ける)。

  7. うがいをする

マスクタイプ

  1. 薬の容器をよく振り、スペーサーに付ける
  2. ボンベをひと押しする
  3. マスクを顔に密着させる

    うまくできないときは、3 → 2 の順番でもOK

  4. ゆっくり呼吸する

    うまくできないときは、ゆっくりと「10」数えてあげる

    子どもは、ゆっくり呼吸することが苦手です。呼吸する間、保護者がゆっくり(15秒ぐらいかけるつもりで)10数えてあげると、子どもにとって「ゆっくりした呼吸」の目安になります。

  5. うがいをする

ひと押しのコツ

写真1

pMDI+スペーサー 覚えておきたいポイント

スペーサーについて、使用時以外にも覚えておきたいポイントを、青野さんに教えていただきました。

ポイント1
子どもの状態に合わせて、マスクタイプ、マウスピースタイプを選ぶ

ポイント2
マウスピースの周囲径に注意する

子どもの口に大きすぎるマウスピースでは、くわえにくく薬が漏れてしまいます。

現在、市販されている3種類のスペーサーのマウスピースの周囲径(いずれも小児用)は、59mm, 66mm, 70mmです。選ぶ際には、医師や薬剤師に相談しましょう。

ポイント3
噴霧補助具の装着ミスに注意!

押す力が弱い場合に使用する噴霧補助具は、装着ミスに注意しましょう。
きちんと装着しないと、押す力が十分に伝わらず、補助具なしよりも噴霧量が減ってしまいます。

噴霧補助具のノズルの少し先端寄りの部分にテープを巻くと、噴霧補助具とボンベの間にすき間ができず、容器が固定されるので、しっかり押すことができます。

吸入方法:動画でも確認できます

環境再生保全機構ホームページ「薬の吸入方法」では、小児の正しい吸入方法の動画も公開しています。
こちらも併せて、ご覧ください。

pMDI+スペーサーで上手に吸入するために
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