認定済みサイトからの移行についてはこちらをご確認ください。
事前相談(申請を検討されている方)
地域生物多様性増進法は、2つの計画認定制度があります。
- ①増進活動実施計画
- 企業等が作成する、里地里山の保全、外来生物の防除、希少種の保護といった生物多様性の維持・回復・創出に資する活動計画を「増進活動実施計画」として主務大臣が認定します。
- ②連携増進活動実施計画
- 市町村が取りまとめ役として地域の多様な主体と連携して行う活動計画を「連携増進活動実施計画」として主務大臣が認定します。
市町村のみが申請できます。
認定の対象となる活動は、3つの類型があります。
どのタイプも同等であり優先順位があるものではありません。すべて「自然共生サイト」として認定されます。
- 維持タイプ
- すでに良好な生物多様性が存在する場を維持する活動を指します。維持タイプで認定された活動計画の実施区域は、保護地域との重複を除き、OECM国際データベースに登録します。
- 回復タイプ
- 過去に生物多様性が豊かであったが、その多様性が損失した場または損失が進行している場所において、その多様性を回復する活動を指します。(例:管理放棄地の再生、手が入っていない森林(二次林)の再生、失われたサンゴ礁の造成 など)
- 創出タイプ
- 現在、生物多様性を欠いている場所において、その地域に在来の動植物が生息・生育することができるような自然環境等を整備することにより、生物多様性を創出する活動を指します。(例:アスファルトや更地等になっている開発跡地や埋立地等での自然環境の整備 など)
申請のポイント
申請書の作成前に、活動の実施区域の状況把握が必要となります。
生物多様性の価値のポイントは、
こちら【PDF:671KB】。認定申請に向けた「地域生物多様性増進活動の手引き」は、こちらを参照ください。
1 実施区域は確定していますか?
① 実施区域の現状把握
実施区域の現状、土地利用の変遷、周囲の状況、課題を把握してください。
※横にスクロールできます。
実施区域の現状 | 土地利用の変遷 | 周囲の状況 | 課題 |
---|---|---|---|
どのような場所、どのような生態系、どのような動植物種がいるかなど | これまでどのような土地利用がされてきたか | 保護地域や公物等の管理区域との重複や周囲の開発状況など | 現在の管理状況、周囲の環境の変化、外来種対策の課題など |
植生、保護地域や公物等管理区域等の確認は、環境省運営の「環境アセスメントデータベース(通称:EADAS)」を参考にしてください。
EADAS https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/
② 実施区域GISデータの作成
実施区域の範囲・面積を明確にするため、GISデータ(shpファイル又はkmlファイル)が必要です。
GISデータは「申請区域のGISポリゴンデータ作成マニュアル」を参考に、国土地理院の地図からkmlファイルを作成することができます。
国土地理院 地理院地図 https://maps.gsi.go.jp/
大きな建物や駐車場といった生物多様性の価値と関連のない構造物は実施区域から除いてください。
2 土地所有者・公物等管理者の同意は得ていますか?
① 土地所有者の同意
実施区域のすべての土地所有者からの同意を得た証明が必要です。土地の所有者が多数に亘り、すべてから同意を得るのが容易でなさそうな場合は、協議会等で同意を得られた旨の議事録等も可とします。
② 公物等管理者の同意
実施区域が下表に記載する区域と重複する場合は、申請について公物等管理者に確認または同意を得る必要があります。同意が得られない場合や開発計画がある場合は、その区域を実施区域から除いてください。
公物等管理者の同意が必要な区域
治山事業施行地
(森林法第10条の15第4項第4号に規定する治山事業の施行地)
砂防関係区域
(砂防法第2条に規定する砂防指定地)
海岸関係区域
(海岸法第3条第1項に規定する海岸保全区域、海岸法第2条第2項に規定する一般公共海岸区域)
地すべり防止区域
(地すべり等防止法第3条第1項に規定する地すべり防止区域)
漁港区域
(漁港及び漁場の整備等に関する法律第6条第1項から第4項までの規定により指定された漁港)
急傾斜地崩壊危険区域
(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域)
漁業権区域
(漁業法第60条第1項に規定する漁業権(定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権)の区域)
港湾関係区域
(港湾法第2条第3項、第4項、第6項、第37条第1項に規定する港湾関係区域)
保護水面
(水産資源保護法第17条に規定する保護水面)
都市公園区域
(都市公園法第2条の2に基づき設置された都市公園の区域)
河川区域
(河川法第6条第1項に規定する河川区域)
道路区域
(道路法第18条第1項に規定する道路区域)
3 生物多様性の価値を示す資料はありますか?
生態系は多様な生物種で構成されており、生物多様性の価値を示すためには、実施区域で確認された多様な動植物種(植物、昆虫、両生類、鳥類など)のリストが必要です。
動植物種の調査を行い、概ね5年以内のデータを整理してください。
リストの作成方法は「地域生物多様性増進活動手引き 別紙3 記載例」【PDF:4.1MB】の区域内の動植物リスト(14ページ)を参考にしてください。
4 目標・活動計画は定めていますか?
現状把握や生物多様性の価値を踏まえて、実現可能な目標・活動内容を計画してください。
※横にスクロールできます。
維持タイプ 実施区域において生物多様性の価値1~9のいずれか1つ以上を有すると認められる場所 |
回復・創出タイプ 実施区域の生物多様性の価値が認められず、その価値の回復・創出が必要な場所 |
---|---|
実施区域の生物多様性の価値の維持を目指す目標・活動計画を設定してください。 | 土地の履歴や周囲の環境、地域の意向を踏まえて生物多様性の価値2~9のいずれかを目指す目標・活動計画を設定してください。 |
目標達成に必要となる活動内容を「計画作成の手引き」「望ましい活動手法」を参考に、活動内容・実施時期・実施場所、モニタリング調査などを具体的に計画して下さい。
5 継続的に活動可能な実施体制となっていますか?
土地の所有者、公物等の管理区域管理者からの確認・同意やステークホルダーとの意思疎通の機会は、継続的な活動を行っていく上で必要となります。継続的に活動を行っていくための実施体制・役割分担を整備してください。
また、継続的に活動を行っていくため専門家との連携や支援者の情報を整理してください。
計画期間は「5年」を目途に定めてください。
生物多様性の価値のポイント
自然共生サイト(維持タイプ)として認定を受けたい実施区域は、「生物多様性の価値」1~9のいずれか1つが認められる必要があります。
なお回復・創出タイプは、価値2~9のいずれかを目指す活動である必要があります。
申請者は活動する実施区域に当てはまる価値をご確認ください。
価値1 公的機関によって、生物多様性保全上の重要性が既に認められている場
下記のいずれかに選定されている場所のみが対象となります。これ以外の公的機関による認定等は対象になりませんのでご注意ください。(注)回復・創出タイプの場合には、本項は対象外となるため、他の生物多様性の価値を選択してください。
- 重要里地里山
- 重要湿地
- 重要海域
- 特定植物群落
- 巨樹巨木林
区域が当該選定等を受けていることが分かる資料は、以下のWEBサイトで確認可能です。
-
重要里地里山:https://www.env.go.jp/nature/satoyama/senteichi_ichiran.html
-
重要湿地:https://www.env.go.jp/nature/important_wetland/
-
重要海域:https://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/kaiiki/index.html
-
特定植物群落・巨樹巨木林:http://gis.biodic.go.jp/webgis/
価値2 原生的な自然生態系が存する場
下記のいずれかに該当する場所が対象となります。原生状態が長期にわたり維持されているか、動植物種リストや写真から生態系が良好に保たれているかを確認します。(注)人為的に創出された生態系(創出タイプ)は、植生や確認種によらず「原生的な自然生態系」には該当しませんので、ご留意ください。
- ①植生自然度9(自然林)、自然度10(自然草原)相当に該当し、自然林や自然植生に特徴的な動植物がみられる場
- ②①以外で該当すると考えられるものは、その根拠となる考え方や階層構造が把握できる場所が必要
植生自然度とは、環境省生物多様性センターが実施している自然環境保全基礎調査において、群落の自然度がどの程度残されているか示す一つの指標として導入されている区分となります。
植生自然度については、「地域生物多様性増進活動手引き 別紙2 生物多様性の価値【PDF:1.0MB】」の6~9ページを参考にしてください。
価値3 二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場
下記のような二次的な自然環境における多様な動植物種(植物、昆虫、両生類、鳥類、哺乳類など)の調査結果のリストが必要です。
- ①農業・林業や日常生活の必要から資源を採取するために周期的に環境の変化をもたらす動的な土地利用や、里地里山の集落周辺に存在していた水田、畑、二次林、人工林など様々なタイプのモザイク的な土地利用が行われた結果、二次的自然に特有な生物相・生態系が成立した場。
- ②従来のくらし、生業等、人の適切な関与がなければ劣化、消失の恐れがある身近な自然がある場
- ③二次林、二次草原に該当する場(参考:植生自然度4、5、7、8)
植生自然度については、「地域生物多様性増進活動手引き 別紙2 生物多様性の価値【PDF:1.0MB】」の6~9ページを参考にしてください。
価値4 生態系サービス提供の場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場
生態系サービス提供の場であるだけでなく、現地調査等の結果から申請区域及び周辺地域の生態系に特徴的で多様な動植物種の生息・生育が確認されている場(健全な生態系)が該当します。
在来種中心である必要があるため、外来種や園芸種が大半の場は該当せず、ビルの植栽や花壇は注意が必要です。
在来の動植物種の確認が必要なため、植物、動物(昆虫・鳥類・哺乳類など)の調査結果のリストが必要です。
生態系サービスの例は以下のとおりです。
- ①調整機能(水源涵養、炭素固定、防災減災、ヒートアイランド緩和、その他気候変動適応に資する機能)
- ②文化的機能(景観、観光、教育、都市内の緑地といった癒やし・レクリエーション)
- ③供給機能(食料、木材や原材料といった自然資源の利用)
価値5 伝統工芸や伝統行事といった地域の伝統文化のために活用されている自然資源の場
およそ100年以上の歴史があり、伝統文化のために持続可能な活用がなされ、地域特有の自然資源が保全され続けている場が該当します。
例えば、伝統工芸品に用いる資材を供給する場、地域の伝統的な生活文化を維持する上で用いる資材を供給する場、神事や祭事に用いる資材を供給する場、伝統文化の観点から景観等の自然的特徴を維持している場が挙げられます。
価値6 希少な動植物種が生息生育している場あるいは生息生育している可能性が高い場
下記の①~③に該当している種が生息生育している場があり、現地調査で種の確認(可能性が高い場合は適切な論拠)が必要です。
- ①環境省レッドリストに掲載されている種
- ②地方公共団体のレッドリストまたはレッドデータブックに掲載されている種
- ③法令、条例や行政文書において希少性が高いと評価されている種
生息生育とは、単なる目撃情報では足りず、希少種が繁殖している、経年的に確認されているなど生息生育が確認されている、食痕、糞等の痕跡がある、食草その他餌資源があるといった情報が必要になります。
希少種を移入している場合は、遺伝的なトレーサビリティに配慮している必要があります。
価値7 分布が限定されている、特異な環境へ依存するなど、その生態に特殊性のある種が生息生育している場又は生息生育の可能性が高い場
その生態に特殊性のある種とは、
- ①分布が限定されている
- ②特異な環境へ依存する、選好する
など特異な生態を持つと評価されている種のことを指し、価値7はこうした種が生息生育している場を指します。
かつて広範囲で見られたが人為的な要因によって分布範囲が減少した結果、現在の分布が限定されている種は含まれません。分布が限定されているとは、申請区域が対象種の分布域の北限、南限の場合も含まれます。
価値8 越冬、休息、繁殖、採餌、移動(渡り)など、動物の生活史にとって重要な場
重要な場とは、希少種やその他の重要な種の渡り中継地や越冬地、対象とする種の生活史上の利用の場としての希少性が高まっている場のことを指します。
普通種であったとしても、繁殖地、渡りの中継等同じ機能を有する場が申請区域の周辺に存在しないなど、周辺地域と比較して相対的に個体群の生息に重要である必要があります。 周囲により重要な場所がある場合は対象とならない場合があります。
価値9 既存の保護地域または認定地域に隣接する若しくはそれらを接続するなど、緩衝機能や連続性・連結性を高める機能を有する場
実施区域の場が、緩衝機能、連続性・連結性を高める機能(以下のいずれか1つを満たす)を有する必要があります。
緩衝機能とは、核心となる保護地域等に実施区域が隣接しており、核心となる保護地域等のバッファーとしての機能を果たしている場を指します。必要な緩衝幅は期待する効果により異なりますが、50mを一つの目安とします。
連続性を高める場とは、保護地域等と生息地・生態系が物理的につながっており、着目する生物の生育環境としての同質性、着目する生態系の同質性が確認できる場を指します。
連結性を高める場とは、同一の生息地あるいは生態系間を利用する生物が当該空間を一時的に利用することで移動可能になっており、着目する生物種の生育環境として同質性、十分性が認められる場を指します。
審査・認定の流れ
申請受付から認定までは、以下のとおりです。
申請は、事務局の環境再生保全機構(ERCA)で常時受け付けます(締切はありません)。審査期間は、正式受理から6か月~7か月程度かかります。
(書類に不備がある場合は正式受理されず、提出から認定まで6か月以上かかることがあります。)
- ①申請受付
- 申請を行おうとする者は、申請書類一式を事務局(ERCA)に提出してください。
- ②予備審査
- 事務局において、提出された申請書類を確認します。必要に応じて、申請者に対して、提出された内容に関する確認や不足書類の提出を求めます。
- ③有識者審査
- 生物多様性の増進に関する専門的な見地から意見を聴くため、有識者による審査を行います。
- ④省庁審査
- 主務省庁(環境省、農林水産省、国土交通省)による審査を行います。
- ⑤認定
- 審査の結果を踏まえ、環境大臣・農林水産大臣・国土交通大臣が認定を行います。
特例申請について
「増進活動実施計画」や「連携増進活動実施計画」の認定を受けた者は、その活動内容に応じて、自然公園法・自然環境保全法・種の保存法・鳥獣保護管理法・外来生物法・森林法・都市緑地法における手続のワンストップ化・簡素化といった特例を受けることができます。
活用しようとする特例措置がある場合は、申請時は、該当する様式と添付書類が必要となります。書類の解説等は、「地域生物多様性増進活動手引き 第2章 提出書類の解説」【PDF:1.9MB】の特例関係ページをご確認ください。
特例を活用しない場合でも「様式4-1特例措置の活用に関する事項」の提出は必須となります。
国立公園・国定公園における許可等
(自然公園法関係)
自然公園生態系維持回復事業に関する事項
(自然公園法関係)
自然環境保全地域等における許可等
(自然環境保全法関係)
自然環境生態系維持回復事業に関する事項
(自然環境保全法関係)
生息地等保護区における許可等
(種の保存法関係)
保護増殖事業に関する事項
(種の保存法関係)
特別保護地区(鳥獣保護区)における許可
(鳥獣保護管理法関係)
特定外来生物の防除に関する事項
(外来生物法関係)
緑地保全地域又は特別緑地保全地区における許可等
(都市緑地法関係)
伐採等の届出に関する事項
(森林法関係)
事前相談を希望される方
申請にあたりご不明な点がある場合は、地域生物多様性増進活動手引きやよくある質問(Q&A)をご確認ください。解決しない場合は、お手数ですが以下のお問い合わせフォームからご連絡ください。事務局から詳細をご案内いたします。
フォーム申請から3営業日以上(土、日、祝日及び年末年始(12月29日から1月3日)を除く)を経過しても、事務局から連絡が無い場合は、30by30★erca.go.jp(★記号を@記号に置き換えてください)にお問い合わせください。
申し込む
※お問い合わせフォームに遷移します。
※申請の受付開始は令和7年4月からです。受付開始の詳細につきましては、ERCAのホームページでお知らせします。