食物アレルギーの子どものための 食事の基礎知識
2.原因食物別 除去のポイント 鶏卵
除去方法(食材として用いないで調理する方法)と栄養面の補い方
鶏卵を使用せずに調理することは容易です。
- 家庭では、鶏卵を使用せずに調理することができます。
- 給食では、鶏卵を衣やつなぎには使用しない工夫や、馬鈴薯(じゃがいも)でんぷんを使用するなどの工夫をすると、みんなが同じものを食べられるようになり、誤食の心配がなくなります。
- 卵黄のみであれば使用可能なこともあります。
- 鶏卵はタンパク質を構成するアミノ酸のバランスが理想的な食物ですが、鶏卵を除去しても、魚、肉類、大豆製品などを組み合わせて食べれば、栄養面の問題はありません。
鶏卵50g中のタンパク質5.7g(アミノ酸組成による)代替の目安
鶏卵50g中のタンパク質5.7g(アミノ酸組成による)代替の目安
食品 |
目安となる量 |
備考 |
牛肉(赤肉) |
30g(グラム、以下「g」と表記) |
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豚肉(赤肉) |
30g |
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鶏肉(むね皮なし) |
30g |
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魚 |
30g |
切り身1/3~1/2 |
牛乳 |
180mL(ミリリットル) |
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木綿豆腐 |
90g |
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絹ごし豆腐 |
120g |
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凍り豆腐(乾) |
12g(3/4枚) |
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日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに作成
調理により受ける変化
鶏卵は加熱調理によりアレルゲン性が低下します。
- ただし、調理方法によってアレルゲン性が異なります。ゆで卵1個を摂取できても、炒り卵や卵ボーロで症状を起こす人がいます。これは、加熱による低アレルゲン化の起こり方が調理方法により異なるからです。医師から、しっかりと指導を受けましょう。
3.加工食品を用いるときの注意
鶏卵は、多くの加工食品に使われているので、アレルギー表示を確認しましょう。
食品表示を読むときの注意(わかりにくい表示)
- 卵殻カルシウム:
- 未焼成のものが使われている場合には、表示義務濃度を少し上まわる程度の鶏卵タンパク質が検出されますので原材料として表示されます。小さなお菓子類であれば総含有量が少ないので摂取可能な場合が多いです。
- レシチン(卵由来):
- 卵黄が含まれています。レシチン(大豆由来)あるいはレシチンとのみ記載されているものには鶏卵は使用されていません。
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