
すこやかライフNo.42 2013年9月発行
せきは「生体防御のはじまり」といわれ、侵入した異物をからだの外へ出す働きがあります。一方で、せきが何週間も長引くような場合は、からだに何らかの異常が起きていることを教えてくれるサインでもあります。せきの原因はさまざまですが、ぜん息やCOPDであることも少なくありません。そこで、長引くせきの原因や注意ポイントについて、名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学教授の新実彰男先生と、東海大学医学部専門診療学系小児科学教授の望月博之先生にうかがいました。
1985年京都大学医学部卒業後、同結核胸部疾患研究所第一内科研修医に。 同胸部疾患研究所感染・炎症学助手、同医学部附属病院呼吸器内科助手等 を経て、2002年より英国Imperial College Londonに留学。2007年に京都 大学医学部呼吸器内科学講師、2008年同准教授に。2012年より現職。
せきは、みなさんが医療機関を受診する動機としてもっ とも多く、ごくありふれた症状といっていいでしょう。 ですが、その裏にはいろいろな病気が隠れています。単 純にかぜが原因で短い期間ですめば問題ありませんが、3 週間以上長引いてよくならないようなら、せきぜん息を はじめとした何らかの病気が原因であることが考えられ ます。その場合は、呼吸器内科やアレルギー科などの専 門医に早めにかかっていただくことをおすすめします。
1981年群馬大学医学部卒業後、同医学部小児科学教室入局。1989年よりカリフォルニア州立大学サンフランシスコ校留学後、群馬大学医学部小児科学教室助手、同医学部小児科学教室講師、同大学院小児科学分野准教授を経て、2009年より現職。
せきにはいろいろな種類がありますが、ほとんどが感染症による、いわゆるかぜからくるものなので、治りやすいせきといえます。しかし、なかには見逃してはいけないようなせきも多くあり、ぜん息などほかの病気が原因である可能性もありますので、治らずに長引くようでしたしたら、いまの治療が効いているのかどうか、どれくらいよくなったのかなどを医師と相談し、次の治療を考えるということが大切になると思います。