
すこやかライフNo.42 2013年9月発行
特集 長引くせきにご用心!からだが発する「危険サイン」を見逃さない!
ぜん息のもっとも特徴的な症状は「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といったぜん鳴で、このぜん鳴があることでぜん息の診断も容易になります。
ぜん息の発作時にもせきはみられますが、症状がせきだけの場合、ほかにいろいろな原因が考えられることもあり、すぐにぜん息とは結びつかない人がほとんどでしょう。
発症の初期や、とくに小児では気づかないほどぜん鳴がごくわずかで、実はぜん息を発症しているということもあるようです。アレルギー体質であったり、夜間や早朝にせきが出るなどの症状が見られたら、ぜん息であるということも考えられます。
すでにぜん息という診断がされていてせきが続くという人は、発作ではないからと安心しないでください。せきが続くことは、コントロール状態がよくない証拠であったり、気道の炎症の悪化や大きな発作に結びつくこともあるため、しっかりと適切な治療をしましょう。
小児ぜん息は、成長とともに改善し、成人になる前に治癒するケースが多くみられます。しかし、大人になるまで治らずに持ち越したり(キャリーオーバー)、大人になって再発したりすることもあります。この場合、ぜん息の重症度が重い人ほど、そうなりやすい傾向にあるようです。
ぜん息が原因と気づかずに放置すると、気道の炎症状態が徐々に悪化し、元の良好な気道に戻りにくくなる状態(リモデリング)を招きかねません。キャリーオーバーや再発の危険を防ぐためにも、3週間以上せきが治まらないような場合は、早期診断・治療を心がけましょう!