
すこやかライフNo.42 2013年9月発行
特集 長引くせきにご用心!からだが発する「危険サイン」を見逃さない!
喫煙者でせきが長く続いている人はいませんか?
たんをともなう慢性のせきは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の代表的な初期症状です。ほかに、坂道や階段をのぼったときなどに息切れや動悸がしやすくなりますが、症状が進行するまで自覚症状がないため、症状が見過ごされがちです。
しかし、COPD は「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、喫煙歴、加齢とともに発症しやすくなり、いったん発症すると、元には戻らない病気です。中高年以降でたばこを吸っていて、たんをともなうせきが長く続いている人は要注意です。
すでにCOPDである場合は、せきにより急激に症状が悪化する「急性増悪」が引き起こされる危険が高くなるため、注意しましょう。
病名 | 症状と特徴 | せきのタイプ | 多い年齢層 |
---|---|---|---|
副鼻腔気管支症候群 | 慢性副鼻腔炎(ちく膿症)に気管支拡張症、気管支炎、びまん性汎細気管支炎などの下気道の慢性感染が続く病気が合わさった状態。 | 湿ったせき | ●成人 |
後鼻漏 | アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎が原因となり、鼻汁がのどのうしろに流れる状態。長引くせきの原因になることが少なくない。 | 湿ったせき | ●小児 ●成人 |
胃食道逆流症 (GERD) |
胃の内容物が逆流する病気。胸やけや食道炎のほか、慢性のせきの原因ともなる。ぜん息やCOPDなどとの合併も多い。 | 乾いたせき | ●乳幼児 ●成人 |
百日咳、 マイコプラズマ |
百日咳はコンコンと激しいせきが2~3週間続く。マイコプラズマは乾いた激しいせきが出て肺炎を起こすこともある感染症。小児に多いが、近年、成人にも増加中。 | 乾いたせき | ●小児 ●成人 |
感染後咳嗽 | かぜなどの感染症が原因で、ほかの症状は治まっても、せきだけが出続ける状態。障害を受けた気道粘膜が十分にもとに戻らず、刺激によりせきが出やすい状態になる。 | 乾いたせき | ●小児 ●成人 |
アトピー咳嗽 | せきぜん息と同様にアレルギー体質でぜん鳴のない乾いたせきが続くのが特徴。せきぜん息に有効な気管支拡張薬は効果がなく、ぜん息に移行することもない。 | 乾いたせき | ●成人 |
心因性咳嗽 | 原因疾患が不明の場合は、心因性咳嗽が考えられる。睡眠中は無症状のことが多く、ストレスが関係していると考えられている。 | 乾いたせき | ●小児~思春期 |
気道異物 | 食べものなどが気道に入ってしまうこと。胃に入ったものが食道を逆流して気道に入る場合もある。ピーナッツなどが多く、まれに呼吸困難や肺炎などから死亡するケースもある。 | 乾いたせき | ●小児 |