WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.42 2013年9月発行

小児ぜん息 成人ぜん息 COPD特集 長引くせきにご用心!からだが発する「危険サイン」を見逃さない!

せきが長引いたらどう対処する?

長引くせきの原因をはっきりさせるために専門医を受診しましょう!

長引くせきの診断と検査 ●問診、聴診 ○家庭歴 ○ワクチン歴 ○治療歴 ○ぜん鳴の有無 ●血液検査 ○アレルギー検査 ○感染症の検査(RSウイルス、アデノウイルス、マイコプラズマ、百日咳、結核など)●喀痰検査 ●胸部X 線検査、CT検査 ○肺がんや心不全などの鑑別 ●呼吸機能検査 ○スパイロメトリー ○気道過敏性検査 一般の医療機関では、これらの検査をすべて行うことはむずかしいため、「治療的診断」といい病歴や症状から原因疾患の見当をつけ、治療の効果を見ながら診断をつけていきます。

今まで紹介しましたように長引くせきには、せきぜん息、ぜん息、COPDなどの呼吸器系の病気のほかにもさまざまな原因があります。それらの病気が合併していることも少なくありません。

適切な治療を受けるためには、呼吸器やアレルギーなどの専門医からきちんと診断してもらい、何が原因なのかをはっきりさせることが大切です。

異常がないのにせきが長期間続くことはなく、重い病気が隠れていることもあります。原因をつきとめて悪化を防ぐためには、早期診断・治療が何より重要です。せきが3週間以上、とくに8週間以上続いたら、専門医を受診しましょう。

診断と治療にぜん息日誌の活用が効果的!

医師に伝えたいことチェックリスト 1.せきの続いている期間 3週間以内 3週間以上 8週間未満 8週間以上 2.せきの種類とよく出る時間帯 乾いたせき 湿ったせき 鼻水、鼻づまり 息苦しさ 夜間や明け方によく出る 運動時、作業時に出る 3.アレルギーについて ゼーゼー、ヒューヒューというぜん鳴がある アレルギー体質であるもしくは家族にアレルギーの人がいる 4.生活習慣について 喫煙歴はあるか 家族の喫煙による受動喫煙歴はあるか ペットを飼育しているか

的確な診断を受けるためには、どのような種類のせきが、どういった時間帯や行動によって出やすいのか、どのくらいの期間続いているのかなど、できるだけ適切な情報を医師に伝える必要があります。

また、アレルギーがあるかどうか、家族にアレルギーの人はいるか、喫煙歴はどうか、からだを動かしたときや運動したときに出やすくないか、ペットは飼っていないかなども、診断を行うにあたっては非常に重要な情報になります。

このせきの出方については、ぜん息日誌を記録することが正確で効果的です。ぜん息日誌は本来ぜん息の長期管理に役立つアイテムですが、いつどのような時間帯にどのようなせきが出たかなどを患者が記録しておくことは、長引くせきの診断と治療の上で、医師だけでなく患者本人にとっても参考になります。

適切な診断と治療につなげるため、ぜん息日誌を活用してみましょう。

ぜん息日誌 症状がせきだけでも、ぜん息日誌をつけていくと、いろいろなことがわかってきます!

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