WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.44 2014年10月発行

COPD現場レポート:「隠れたCOPD」を見つけ出し「実感と納得」の禁煙外来を実施

市役所にもCOPDの講演会開催を働きかける

先生が特に啓発の必要性を感じているのは、団塊の世代およびその前後の世代の男性です。

この世代が働き盛りだった昭和50年代前半、男性の喫煙率は70から80%にも達しており、現在、COPDを発症する確率が非常に高いからです。

高齢者がCOPDを発症すると、生活不活発病を経て認知症を発症する恐れがあります。

COPDの予防・治療は、認知症対策にもつながるのです。

また、たばこの害は当然COPDだけではありません。全身至るところにさまざまな障害を起こし、しかも、それがたばこのせいだと気づかないことが多いのです(下囲み記事参照)。

「こうしたCOPDの怖さ、たばこの害を、もっと伝えていきたい」と語る先生は、市役所にも働きかけています。この10月には保健センター主催のCOPDに関する講演会で話しました。

「隠れたCOPD」を見つけ出し治療に結びつける先生の活動は、病院内から地域へと広がりを見せています。

見逃していませんか?たばこの害 まずは禁煙しましょう!

寺﨑先生からのアドバイス

たばこは、全身に害を及ぼします。一見、たばことは関係ないような症状でも、思いもかけずたばこが関係していることは少なくありません。下に挙げたのは、ほんの一例です。お医者さんにかかると同時に、まずは禁煙しましょう!

夜寝つけない
ニコチンが脳を覚醒させ、血圧や心拍数も上げてしまうのです。寝つけないのは、そのせいかも。ましてや「眠るための一服」は大きな間違いです!
歯がぐらついて、抜けそう
たばこを吸っていると、歯垢や歯石が歯に付きやすくなります。ニコチンや一酸化炭素で歯周組織の免疫機能も落ちて歯周病となり、歯が抜けやすくなります。
胃が痛くてものが食べられない・喉の違和感
痛みの原因は、たばこの刺激で胃酸が過剰に分泌されているせいかも。胃酸が逆流して食道炎を起こし、喉の違和感や胸焼け、むかつきが起こることも。
急にものが見えなくなってきた
高齢者に多い「加齢性黄斑変性」かもしれません。視界がゆがんだり欠けて見えるこの病気は、加齢と同時にたばこも大きな原因。たばこは、網膜の血流障害を起こすとともに、網膜内に炎症を引き起こすといわれています。

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