
すこやかライフNo.46 2015年9月発行
トピックス:加工食品のアレルギー表示が変わりました
2002年に施行された「アレルギー食品表示制度」は、食物アレルギーの方が一般のスーパーでも安心して買い物ができるようになるなど、大きな役割を果たしてきました。さらにこれは、学校や保育園、飲食店などが責任を持ってアレルギー対応を行うことを、根本から支えている重要な仕組みでもあります。
今回の法律改正では、「アレルゲン」という言葉が初めて正式に使われました。これが喜ばしいことかどうかはさておいて、「アレルゲン」という言葉が、難しい専門用語から、社会一般に認知された言葉になった、ということを象徴しています。
アレルギー表示の言葉がわかりにくい、という意見はよく耳にします。しかしその多くは、法律用語のせいではなく、名称が持つ必然的な問題です。たとえば「乳化剤」「乳酸」が牛乳とは関係ない物質であることは、食物アレルギー患者さんやその保護者の方々が知識として知っておく必要があります。
今回改正されたポイントのひとつは、個別表示を原則としながら、一括表示する場合には、含有するすべてのアレルゲンを一括表示に再掲しなくてはならない、という規定です。これは、一括表示を見れば含まれているすべてのアレルゲンを確認できる、という点で改良されたポイントです。(ルール1 一括表示には含まれているすべてのアレルゲンが表示されます参照)
一方、注意しなければならないケースがあります。「乳糖」は乳の「拡大表記」ですが、含まれる牛乳タンパクが微量であるため、多くの牛乳アレルギーの方は問題なく食べることができます。今回の改正では、乳糖を含有する食品について、一括表示が使われた場合、必ず「乳成分を含む」と記載されるため、それが乳糖の乳成分なのか、乳糖以外の乳成分を含むのか、という識別がしにくくなります。
このようにさまざまなルールがありますが、不明な場合は製造元に問い合わせるなどしながら、自信を持って安全かつ無駄のない買い物ができるように、アレルゲン表示のしくみをよく理解して活用してください。