WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.51  2018年3月発行

小児ぜん息 成人ぜん息 COPD医療トピックス:喫煙者だけでなく、 家族や周囲にも及ぶ!たばこの害

「ニコチン依存」・「習慣」・「心理的依存」すべてをケア

たばこをやめにくい要因は、「身体的なニコチン依存」「喫煙の習慣」「たばこへの心理的な依存」が複雑に絡み合っているから。禁煙外来では、これらの要因すべてに対するケアを受けることができます。

「ニコチン依存」の治療

禁煙補助薬の使用

いくら禁煙しようと決意してもなかなかできないのは、「ニコチン依存」の状態にあるからです。ここから自力で抜け出すのは大変困難です。

禁煙外来では、以下の「禁煙補助薬」を使って、ニコチンへの依存を徐々になくしていく治療を行います。

禁煙補助薬の種類と特徴

バレニクリン(飲み薬)「医療用」 脳内のニコチンレセプターに働き、ニコチン切れ症状を軽くし、たばこをおいしいと感じにくくします。
ニコチンパッチ「医療用」「市販薬」 ニコチンを少しずつ補給して、ニコチン切れの症状をやわらげる貼り薬。小さいサイズは薬局で購入することができます。
ニコチンガム「市販薬」 ニコチン入りのガムをかむことによって、ニコチン切れの症状を紛らわせます。薬局で購入します。

「習慣」への対処

行動を変える

習慣は、たばこと結びついた行動や生活パターンのこと。あなたはいつもどんな場面でたばこを吸っていますか?

吸いたくなる状況を知って、その行動を変えることがポイントです。

禁煙外来では、あなたの喫煙習慣を振り返り、行動をどう変えればいいのか一緒に考えます。

吸いたくなる場面とその対処法の例

どんなときにたばこを吸いたくなりますか? 対処法の例
朝起きたとき すぐに洗面所で顔を洗う
食後 すぐに歯磨きをする
コーヒーを飲んだとき 紅茶やハーブティーを飲む
手持ち無沙汰なとき ストレッチなどで体を動かす
会議や打ち合わせ終了後 冷たい水を飲む
イライラしたとき 外に出て深呼吸する
お酒を飲んだとき しばらくお酒は飲まない

「心理的依存」への対処

正しい思考を取り戻す

心理的依存は、「たばこを吸わないと頭がすっきりしない・ストレスが解消できない・仕事が進まない」「だから禁煙できない!」という思い込みや、「自分はたばこを吸っていても病気にならない」と、たばこの健康影響を過小評価してしまうことです。しかしこれらは、ニコチン依存から起こる誤解です。

禁煙外来では、禁煙補助薬を使った治療に加え、カウンセリングという手法で、正しい思考を取り戻す手助けをします。

ニコチンによる誤解

図:ニコチンを摂取することによる解釈の変換そもそも、たばこを吸わなければこの繰り返しは起こりません。

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