
すこやかライフNo.47 2016年3月発行
特集:小児ぜん息・COPD 検査結果の活用法を知ろう
問診で自分の状況を医師に伝える
COPDを診断するうえでもっとも重要な情報は「喫煙の有無」です。いま喫煙しているかだけでなく、過去の喫煙歴や、自分が喫煙していなくても「まわりに喫煙者がいる」という情報も有用です。
次に、せきやたんなどの症状に加え、日常生活の中での呼吸困難感(どのくらい動くと息が苦しくなるか)の程度を伝えます。医師に「どんなときに呼吸が苦しくなりますか」などと聞かれたら、(表1)を参考に、具体的に自分の息切れの状況を伝えましょう。
すでにCOPDで病院に通っている場合も、診察のたびに詳しく伝えることが大切です。
グレード 分類 |
息切れの程度 |
---|---|
0 | 激しい運動をしたときだけ息切れがある。 |
1 | 平坦な道を早足で歩く、あるいは緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある。 |
2 | 息切れがあるので、同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、あるいは平坦な道を自分のペースで歩いているとき、息切れのために立ち止まることがある。 |
3 | 平坦な道を約100m、あるいは数分歩くと息切れのために立ち止まる。 |
4 | 息切れがひどく家から出られない、あるいは衣服の着替えをするときにも息切れがある。 |
「COPD 診断と治療のためのガイドライン第4版」より引用して一部改変
何らかの症状があってCOPDかどうか疑われる場合、また、COPDの経過観察や薬の効果を判定するために、おもに下のような検査が行われます。
COPDの人の肺は、酸素と二酸化炭素を交換する役割を果たす肺の中にある肺胞が壊れている状態です。このため、酸素を体の中にうまく取り込むことができません。また、気道に炎症が起こり空気の通り道が狭くなっていることに加え、肺の弾力性が失われているので、吸い込んだ空気をうまく吐き出すことができません。
この結果、呼吸がうまくできずに息切れや息苦しさを感じます。
COPDの検査はおもに、このような肺や気道の状態を調べるために行われます。
このほかにも、血液検査や心電図検査、その患者さんがどのくらい動ける能力があるのかを調べる運動負荷試験なども行われます。
問診の後、COPDがいまどの程度の状態であるのか、検査で確認していきます。今回は、COPDの検査で代表的な「呼吸機能検査」と「画像検査」について解説します。