・呼吸に歩くリズムを合わせましょう。
・呼吸と歩くリズムを合わせ、できるだけ長い距離を歩けるようにしましょう。
歩き出す前に息を吸い、4 歩で「息を吐き」、2 歩で「息を吸い」ます。
息を吐きながら4歩進めない場合は、3歩で息を吐き1歩で息を吸う、または、2歩で吐き1歩で吸うなどに変えてみましょう。
・平地より体への負担が大きいので、歩くときよりもリズムを落としましょう。
・呼吸に合わせて階段を上りましょう。
上る前に息を吸い、4 段で「息を吐き」、1、2 と「息を吸い」ながら休みます。
息を吐きながら4 段進めない場合は、2段上りながら息を吐き、いったん止まって息を吸いましょう。
※手すりにつかまって腕の力で体を引き上げると、かえって息苦しくなってしまうので、体を前に移動しながら上りましょう。
※酸素ボンベをもって階段を上らなければならないときは、リュックなどを利用しましょう。
・急に起き上がると息苦しくなってしまいます。ゆっくり、呼吸を整えて、口すぼめ呼吸をおこない、息を吐きながら体を起こしましょう。
・息苦しいときは、両膝を横に倒し、片方の肘をついて体を起こしましょう。
両膝を横に倒し片方の肘をついて体を支えながら起きましょう。
動作のときの呼吸の基本
・腕を肩よりあげる動作は、息苦しくなってしまいます。腕を肩より上にあげないように動作をしましょう。
・口すぼめ呼吸を行い、腕をあげるときは、息を吐きながらおこないます。
※鼻カニュラはつけたままおこない、終わったら鼻カニュラを整えましょう。
※息切れが強いときは、腕をあげないで着ることができる前開きの服を着るようにしましょう。
・前かがみの動作は息苦しくなってしまうので、前かがみにならないように、イスなどを利用しましょう。
・口すぼめ呼吸をおこない、ズボンや靴下をはくときには、息を吐きながらおこないます。
※玄関にもイスを置いておくと、靴をはくときに便利です。靴をはくときは、靴べらを使いましょう。
・洗顔や歯磨きのときは息を止めてしまったり、同じ動作の繰り返しになるため息苦しくなります。洗面台の前でおこなう場合は、イスを置いて座り、ひじを洗面台についておこないましょう。
・洗顔のときは、口すぼめ呼吸をおこない、息を吐きながらおこないます。
・歯みがきのときは、電動歯ブラシを使用すると繰り返しの動作がなく、息苦しくなく歯みがきができます。
・食べ物を飲み込むときは息を止めがちのため、息苦しくなります。また、前かがみの姿勢で食べると、胸が圧迫されて息苦しくなります。
・背筋を伸ばして、呼吸に合わせてゆっくり食事をしましょう。
・一度にたくさん食べるのではなく、何回かに分けて食事をしましょう。
・高いところに洗濯物を干す動作は、腕をあげるため息苦しくなります。
・物干し台を低くする工夫をしましょう。
日常生活をマネジメントする
1日に多くの家事を片づけようとしないで、洗濯や掃除は1週間や1カ月の予定を立てて計画的におこないましょう。
・掃除機をかける動作は、同じ動作の繰り返しになるためリズムが速くなり、呼吸が乱れるため息苦しくなります。ゆっくり、呼吸に合わせておこないましょう。
・掃除機をかけるときは、前かがみにもなり息苦しくなります。姿勢を起こして掃除機をかけましょう。
・粘着テープやモップなど、掃除用具を工夫しましょう。
呼吸をマネジメントする
息苦しいために、入浴するのをやめたり、髪を洗うのを我慢したり、食事回数を減らしたりしてしまうのではなく、動作を工夫して、日常生活を快適に過ごしましょう。
・呼吸に合わせて、物を持ち上げましょう。口すぼめ呼吸をおこない、力を入れるときは、息を吐きながらおこないます。
・自分の体に荷物を引き寄せるようにしましょう。
※物を動かすとき(上げる、引っ張る、押すなど)は、口すぼめ呼吸で息を吐きながらおこないましょう。
※息を吸うときは、動作を止めて休みましょう。
・排便のときに力むと息を止めてしまい、息苦しくなってしまいます。呼吸に合わせて、息を吐きながら力みましょう。
・排便後は、息を整えてから後始末をしましょう。
※日頃から、水分をとったり食事を工夫したりして、無理なく排便ができるようにしましょう。
※鼻カニュラはつけたまま、トイレに行きましょう。
※酸素を使用している場合、酸素の流量は、労作時と同じ流量にしましょう。
酸素を使用している場合は、鼻カニュラをつけたまま、入浴しましょう。酸素の流量は、労作時と同じ流量にしましょう。
脱衣所にイスを置いて、座って脱ぎ着をしましょう。その際、17・18 ページのかぶりの服を着るときや、ズボンをはくときの呼吸方法を思い出しておこないましょう。
イスを置いて、座って体を洗いましょう。ゴシゴシ洗う動作は、息を止めがちになったりリズムが速くなり、呼吸が乱れて息苦しくなってしまいます。口すぼめ呼吸をおこない、息を吐きながら体を洗いましょう。
髪を洗うときは、腕を肩より上にあげなければならないこと、ゴシゴシと同じ動作の繰り返しになることから息苦しくなってしまいます。口すぼめ呼吸をおこない、息を吐きながら髪を洗いましょう。
動作に呼吸を合わせるのではなく、呼吸に動作を合わせましょう。“ 吐きながら”動作をし、いったん休みを入れて呼吸を整えましょう。
・呼吸を整えてから湯船に入りましょう。
・湯船をまたぐときは、口すぼめ呼吸で、息を吐きながらおこないます。お湯につかっている間も口すぼめ呼吸をおこないましょう。
・肩や首周りが寒いときは、バスタオルをはおりましょう。
※イスを置く場合は、滑らないように気をつけましょう。