
日本のCOPD 患者さんにやせ型の方が多いのは、さまざまな理由で栄養障害が起きているためです。
COPD 患者さんは体重が減ると生命予後が悪い(余命が短くなる)ことが報告されています。こうしたことからCOPD 患者さんには、栄養がとても大切であると考えられてきています。
近年、COPD は肺だけに限定した疾患ではなく、肺に生じた炎症が全身に及ぶ、いわゆる全身性炎症性疾患であることがわかりました。このことが栄養障害にも大きくかかわっていると考えられています。
COPD 患者さんが、栄養障害によりやせてしまうと、呼吸筋や下肢筋などの筋力が低下します。
筋力が低下すると、動くだけで息切れや倦怠感が増加し、体を動かしたくなくなります。その結果、活動量が低下して家にとじこもりがちになってしまい、さらに食欲が低下します。
COPD では、このような「食欲が減る→やせる→息切れがする→動かなくなる→食欲が減る」という悪循環に陥らないようにすることが重要になります。