ぜん息などの情報館

【参考資料】食品の選び方

良質なたんぱく質を多く含む食品をとりましょう

たんぱく質は筋肉をつくるのに欠かせないため、不足すると呼吸筋の低下につながります。
魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などには、良質のたんぱく質が含まれています。良質のたんぱく質とは、たんぱく質を構成するアミノ酸の中でも特に体内では合成することができない必須アミノ酸をバランスよく含んだたんぱく質のことです。メインのおかずに、毎食1~2 品はとりましょう。

食品中のたんぱく質含有量

※可食部の値、表記のないものは100gあたり

食品名 たんぱく質(g) エネルギー(kcal)
サケ 1 切れ 22.3 133
サンマ 中1 匹 18.5 310
タラ 1 切れ 17.6 77
豚肉(ロース) 19.3 263
鶏肉(胸肉) 19.5 191
牛肉(サーロイン和牛) 11.7 498
卵 1 個(50g) 6.2 76
木綿豆腐 1/4 丁 6.6 72
納豆 1パック(50g) 6.6 80
牛乳 コップ1 杯(200ml) 6.6 134
チーズ 小1個(20g) 4.5 67

ワンポイント・アドバイス

控えたい食品①

胃にガスがたまりやすいもの(さつまいも、ビール、炭酸飲料など)
ガスでお腹がふくれて食欲が低下したり、横隔膜の動きをじゃまして呼吸をしにくくします。

分岐鎖アミノ酸(BCAA)をとることも大切です

必須アミノ酸の中でも、筋肉の保持や増量に最も重要な役割をしているのが、分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)です。BCAA は良質なたんぱく質の中でも、まぐろ、かつお、あじ、サンマ、牛肉、鶏肉、卵、大豆、高野豆腐、チーズなどに多く含まれています。筋肉内の必須アミノ酸中、約30~40%がBCAA で構成されています。

食品中のBCAA含有量

※可食部の値、表記のないものは100gあたり

食品名BCAA(mg)バリンロイシンイソロイシン
まぐろ赤身生 刺身約8切れ 4800 1400 2100 1300
かつお 4300 1300 1100 1900
あじ 中1 匹 3760 1100 960 1700
サンマ生 中1 匹 3650 1100 1600 950
鶏肉(胸肉) 4300 1200 1900 1200
鶏肉(もも肉) 3290 910 1500 880
牛肉(サーロイン) 2360 650 1100 610
卵 1 個(50g) 2610 830 1100 680
凍り豆腐 1 枚(16g) 1600 448 720 432
納豆 1パック(50g) 1305 415 550 340
木綿豆腐 1/4 丁 1210 330 560 320
牛乳 コップ1 杯(200ml) 1360 400 620 340
チーズ 小1個(20g) 1020 320 460 240

*BCAAを強化した栄養補助食品も販売されています。医師や管理栄養士とご相談のうえ、摂取してください。

ワンポイント・アドバイス

控えたい食品②

塩分の多いもの(漬物、汁物、塩蔵品、麺類、 加工食品など)
とり過ぎは高血圧、動脈硬化、心臓病などを引き起こします。

ビタミン、ミネラルを多く含む食品をとりましょう

ビタミン、ミネラルは、体の組織を構成したり体の調子を整える働きがあり、欠かすことのできない栄養素です。

ビタミン
COPD 患者さんの栄養療法では、代謝に必要なビタミンB1、B2、B6や抗酸化作用のあるビタミンA、C、E、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどを十分に摂取する必要があります。

ビタミンA レバー、うなぎ、卵、緑黄色野菜、牛乳、乳製品 ビタミンB1 豚肉、大豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜 ビタミンB2 レバー、肉、魚、卵、大豆、緑黄色野菜 ビタミンB6 レバー、肉、魚、大豆 ビタミンC 野菜、果物 ビタミンD バター、肝油、魚、干し椎茸など、きのこ類 ビタミンE 植物油、アーモンド、落花生、うなぎ、緑黄色野菜 抗酸化作用 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE 代謝に必要 ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6 カルシウムの吸収を助ける バター、肝油、魚、干し椎茸など、きのこ類

ビタミンD は太陽の光により体内でもつくられるので、適度な日光浴や屋外での運動も大切です。

栄養療法と食事療法のちがい

ビタミンD は太陽の光により体内でもつくられるので、適度な日光浴や屋外での運動も大切です

栄養療法
栄養素の補給量を是正して治療効果の改善をはかる療法。絶食(断食)、飢餓や減食(栄養制限)など栄養素の摂取量を制限する方法、不足している栄養素を補充する方法、およびたとえば特定のビタミンなどを所要量以上に供給する方法などがある。

食事療法
食事によって疾病を治療したり軽減させる目的でおこなわれる処置。糖尿病、高血圧、その他多くの疾病に適用される。

ミネラル
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、呼吸筋の収縮、骨や歯の形成にかかわっており、骨粗鬆症の合併が多いCOPD患者さんには重要な栄養素です。また、鉄は栄養不足からくる貧血の予防に大切なミネラルです。

カルシウムを多く含む食品

牛乳、大豆製品

牛乳、乳製品、ごま、海草類、小魚類、大豆製品など

*高齢の方はカルシウムが不足しがちです。ステロイドホルモン剤を内服している方は、骨に含まれるカルシウムが少なくなってしまうので、注意が必要です。

マグネシウムを多く含む食品

ごま

ごま、海草類、きなこ、玄米 など

リンを多く含む食品

チーズ

小魚、ごま、きなこ、チーズ など

カリウムを多く含む食品

果物(特にバナナ、メロン)、野菜、いも類、豆類 など

果物(特にバナナ、メロン)、野菜、いも類、豆類 など

*利尿薬を内服している人は、体内のカリウムも尿と一緒に排出されるため、カリウムの摂取も大切です。

鉄を多く含む食品

レバー、ひじき、かつお

レバー、緑黄色野菜 ひじき、貝類、かつお、さば など


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