WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.42 2013年9月発行

COPD現場レポート:長崎県県北地域におけるCOPD対策事業 地域住民を対象としたCOPDの早期発見・治療への取り組み

COPD患者のための家庭でできる運動療法

長崎呼吸器リハビリクリニックで実際に指導されている運動療法には、持久力・筋力・柔軟性トレーニングの3種類があります。 ここでは、読者の皆さんが家庭でもできる運動を紹介していきます。注意点を参考に、運動を習慣にしましょう。

運動の目的

  • 日常生活を送るために必要な基本動作を、息切れなく楽にできるようにする。
  • かぜなどの感染症にかかりにくい体、かかっても治りやすい体をつくる。

家庭で運動を行うときの注意点

  • “ややきつい”くらいの強度の運動を行いましょう。とぎれずに会話ができるくらいがめやすです。
  • 息切れがしたら休みをとって、落ち着いて呼吸を整えましょう。休憩をはさみながら、ゆっくりと運動しましょう。
  • 体調が悪い時は無理せず運動を控えましょう。
  • たんが多い方は、たんをきちんと出してから運動しましょう。
  • 運動するときは、できるだけ口すぼめ呼吸や腹式呼吸を使います。
  • 息を“吐くとき”に体を動かすのがポイントです(呼吸は“吸うとき”にエネルギーを消費しますので、“吐くとき”に体を動かすと、楽にできます)。
口すぼめ呼吸の方法 1.鼻から息を吸います。 2.唇を軽く閉じて、口からゆっくりと吐き出します。 腹式呼吸の方法 1.軽く膝を曲げて立てます。手を胸とお腹に置きます。 2.鼻から息を吸い込み、お腹がふくらむのを手で確認します。3.お腹の力を抜いて、口をすぼめてゆっくりと息を吐きましょう。
運動前の準備 効率よく運動をするために ・肩をすぼめて、ポンッと下ろします。(3回繰り返す) 頭を左右に倒し、まわします。(2回繰り返す)
持久力トレーニング 持久力を鍛えることで、日常生活を送るうえで必要な基礎体力をつけることができます。もっとも簡単で効果的なのは、散歩です。外に出るのが難しい場合には、家の中で足踏みを
するだけでも効果があります。 ・目標は20 分以上。・呼吸と歩行を合わせます。歩き出す前に息を吸う→息を吐きながら4歩進む→息を吸いながら2歩進む
筋力トレーニング 上肢を鍛える 上肢の筋肉を鍛えることで、手を使う動作がスムーズになり、息切れが軽減します。1.おもりを持って、腕を横に伸ばします。 2.息を吐きながら腕を上げ、吐き終わるまでに戻します。 下肢を鍛える(各5回)下肢の筋肉は歩行や日常生活のあらゆる動作に必要です。 1.両ひざを立てます。 2.鼻から息を吸います。 3.息を吐きながら片足を上げ、吐き終わるまでに下におろします。
柔軟性トレーニング ストレッチで筋肉を柔らかくすることで、少しのエネルギーでも効率よく体を動かせるようになり、息切れの軽減にも役立ちます。 体幹、背部のストレッチ(各5回) 1.両ひざを立て、鼻から息を吸います。 2.息を吐きながら両ひざを右(左)に倒します。吐き終わるまでに戻します。 体幹のストレッチ(各5回) 1.鼻から息を吸い、吐きながら体を右(左)にひねります。 2.吐き終わるまでに戻します。 1.鼻から息を吸い、吐きながら体を
右(左)に倒します。 2.吐き終わるまでに戻します。

目次

このページの先頭へ