WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.50 2017年10月発行

小児ぜん息 成人ぜん息、COPD特集:「ぜん息・COPD Q&A」

Q8.指示どおりに吸入しているつもりですが、効果が感じられません。本当に薬が効いているのか心配です。

A.小児ぜん息の患者さん、保護者の方へ
まずは子どもに吸入器が合っているか確認を。―益子育代先生―

大事なことは、子どもの吸入能力に合った吸入器であるか、正しく吸入できているかの2点です。病院や薬局でこのポイントを実際に確認、指導してもらうことが重要です。年長のお子さんでも、1回の指導で適切にできる人は多くはありません。上手にできるまで何度か指導を受けましょう。成長にともないスキルも上がるので、1年に1回程度は確認してもらい、吸入効率のよい方法に切り替えていくのがよいでしょう。

薬の効果が感じられない場合、実は子どもがやったふりをしていた、ということも少なくありません。小学生以上になり自分で吸入ができるようになると、親もつい任せきりになることがあります。実際に吸入している様子を確認しましょう。小さいお子さんの場合は必ず一緒に吸入をする。小学校以上になっても関心を示し、一緒に治療に取り組んでください。

A.成人ぜん息・COPDの患者さんへ
心配があれば、再度指導を受けましょう。薬を変えてもらうこともできます。―山下直美先生―

近年、吸入ステロイド薬は効果を高め、肺に到達しやすいよう工夫され、たくさんの種類が開発されました。しかしその分、使い方は複雑になりました。薬を処方されたときに説明を受けても、本当に正しい使い方をしている人は30%ぐらいとの報告もあります。

心配があったら、薬剤師、看護師、医師に使い方を実際に見てもらい、指導を受けてください。恥ずかしくありません。自分ではうまく吸えていると思っても、長く使用すると自己流になりやすいため、定期的な確認がすすめられています。吸入器は精密な機器です。決められた順序で、決められた方法で使って、初めて力を発揮します。

使い心地が悪かったり、効果が感じられなかったりしたら、違う薬剤に変えてもらうこともできます。生活のパターンによって、1日2回の薬剤を、1日1回の薬剤に変えることも可能です。

正しく吸入できていれば、吸入ステロイド薬を継続使用して2週間ぐらいで効果を感じ始めます。気管支拡張薬のβ2刺激薬と一緒になった薬剤(合剤もしくは配合剤)では、もっと早い時期に効果を実感できます。ただし、そこでやめてしまわずに医師の指示どおり継続使用することがもっとも大切です。

吸入指導は、病院に行かなくても薬局で受けることができます。
吸入トレーナー(練習器)を使った指導が効果的ですので、これまでに吸入トレーナーを使った指導を受けたことがない、という患者さんは一度、薬局や病院で相談してみましょう。

環境再生保全機構ホームページ「ぜん息などの情報館」では、動画で吸入方法を確認することができます。

Q8.指示どおりに吸入しているつもりですが、効果が感じられません。本当に薬が効いているのか心配です。
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