
すこやかライフNo.51 2018年3月発行
特集:「小児ぜん息の最新ガイドラインから自己管理のヒントを学ぼう-「コントロール良好」を目指して-」
ガイドラインでは、発作が起きたときにその発作をさらに重篤にしたり、長引かせたりしないためにも、家庭で早期に対応することが重要であるとしています。そうすることで、さらなる悪化を防ぐだけでなく、ぜん息児とその保護者のQOL(生活の質)の低下を防ぐことにつながります(例:夜間の睡眠が妨げられたり、学校や仕事を欠席・欠勤したりすることがなくなる)。
以下のフローチャートを参考に、あらかじめ医師と相談し、発作のときに使用する薬や対処法を決めておきましょう。
また、発作が起きて医療機関を受診したときには、いつからどの程度の症状が出たのか、適切に伝えられるようにしましょう。
まずは、強い喘息発作のサインがあるか確認します。強い喘息発作のサインは、次のような状態を指します。遊べない、話せない、歩けない。食べられない。眠れない。顔色が悪い。ぼーっとまたは興奮している。強いゼーゼー。ろっ骨の間がはっきりとへこむ。脈がとても速い。
強い喘息発作のサインがひとつでもあれば、すぐに医療機関を受診する必要があります。必要に応じて救急車の要請も考慮します。受診の準備が整うまでの間、気管支拡張薬の吸入をしてください。
強い喘息発作のサインがない場合は、気管支拡張薬を使います。
吸入した場合は15分後に、内服した場合は30分後に症状を確認します。
気管支拡張薬の使用で症状がおさまった、もしくはピークフローの値が自己最良値の80%以上に回復した場合は、8~12時間後にもう一度気管支拡張薬の吸入をします。または8~12時間後に気管支拡張薬の飲み薬を飲みます。気管支拡張薬の貼り薬は吸入との併用が可能です。
発作をくり返すときは早めに医療機関を受診してください。
強い喘息発作のサインがなく、気管支拡張薬を使用して少し良くなったがまだ症状が残っている、ピークフロー値は前より改善したが自己最良値の80%未満である場合は、1~2時間後にもう一度気管支拡張薬の吸入をして症状を確認してください。すでに気管支拡張薬を内服した場合は、1~2時間後にもう一度症状を確認します。気管支拡張薬の貼り薬は吸入との併用が可能です。
この対応で発作がおさまった場合でも、発作をくり返すときは早めに医療機関を受診してください。気管支拡張薬の効果が不十分で、症状が残っている場合は、医療機関を受診してください。
強い喘息発作のサインはなかったが、気管支拡張薬を使っても症状が変わらないか悪化している、ピークフロー値が変わらないか前より低い場合には、ただちに医療機関を受診してください。
いずれの場合も、気管支拡張薬が手元にないときは、無理せず早めの受診を考えましょう。