WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.51 2018年3月発行

小児ぜん息特集:「小児ぜん息の最新ガイドラインから自己管理のヒントを学ぼう-「コントロール良好」を目指して-」

「コントロール良好」を目指して知っておきたいこと・実践してほしいこと
①正しい吸入方法をマスターし継続する

ガイドラインでは気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」が治療の中心となっていますが、「吸入薬」は薬を“吸い込む”ことで気道の奥まで届けます。そのため、患者さんの吸入の仕方が薬の効き目を大きく左右します。吸入薬は、正しく吸入することが何よりも大切です。毎日吸入していても、薬が気道の奥まで届いていなければ、症状は改善しません。また、年齢に応じた吸入器を選択することも大切です(表;年齢層別 使用が推奨される吸入器の組み合わせ参照)。医師や薬剤師、看護師に相談しましょう。

吸入ステロイド薬は、症状がなくても医師の指示通りに続けることが必要です。吸入ステロイド薬を使い始めると、多くの患者さんは早い段階で症状がなくなりますが、ぜん息治療はここで終わりではありません。症状がなくても気道の中の炎症は続いています。自分の判断で薬を中断することのないようにしましょう。

吸入器の種類

ネブライザー 液体の吸入薬を霧状にしたものを吸い込みます。マスクやマウスピースを使うことで、乳幼児でも確実に吸入できます。
pMDI
(加圧噴霧式定量吸入器)
ガスの圧力で薬剤を噴射します。薬の噴射と吸い込むタイミングを合わせる必要があります。「スペーサー」を使うと確実に吸入できます。
DPI
(ドライパウダー定量吸入器)
粉末の薬剤を、自分で吸い込みます。

年齢層別 使用が推奨される吸入器の組み合わせ

年齢層 薬剤 吸入機器・補助具
乳児 吸入液 マスクタイプネブライザー
pMDI マスク付きスペーサー
幼児 pMDI マスク付きスペーサーまたはマウスピース付きスペーサー
吸入液 マスクタイプネブライザーまたはマウスピースタイプネブライザー
pMDI 直接吸入
学童 DPI 直接吸入
pMDI マウスピース付きスペーサー
pMDI 直接吸入
吸入液 マウスピースタイプネブライザー

こんな吸入していませんか?

正しい方法で吸入していると思っていても、いつのまにか自己流になっていたり、実は間違った方法を覚えていた、ということがよくあります。

こんな吸入をしていませんか?

マスクタイプのネブライザーやスペーサーで

マスクのサイズが顔に合っているか、確認しましょう。
pMDI+スペーサーで

薬をプッシュするときに、ボンベの向きを確認しましょう。
pMDI、DPIの直接吸入で

吸入前に、息を吐ききる必要があります。

吸入した後は、薬を気道の奥へ行き渡らせるために、息止めをする必要があります。

また、このほかにも

  • マスクタイプのネブライザーで吸入中、いつも口を閉じているのでしっかり吸入できているか不安
  • いつも泣いて嫌がる
  • 吸い込みが弱いようで、本当に薬を吸えているのか心配

など、心配や不安なことがあったら、医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。

吸入トレーナーを使った吸入指導を受けると安心です。

正しい吸入方法をチェック

環境再生保全機構のホームページ「ぜん息などの情報館 薬の吸入方法」では、吸入器ごとの正しい吸入の仕方を動画で見ることができます。

正しい吸入方法ができているか、チェックしましょう。

「コントロール良好」を目指して知っておきたいこと・実践してほしいこと①正しい吸入方法をマスターし継続する
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