
すこやかライフNo.51 2018年3月発行
特集:「小児ぜん息の最新ガイドラインから自己管理のヒントを学ぼう-「コントロール良好」を目指して-」
乳児では、さまざまな原因でゼーゼーヒューヒューするぜん鳴が起こるため、ぜん息の診断が非常に困難です。一度の診察では、ぜん息と診断することはできません。
そこで今回のガイドラインでは、5歳以下の乳幼児にぜん息の疑いがある場合には「診断的治療」を行う、という考え方が導入されました。
まず、症状を抑えるために薬による治療を行い、早い段階で薬をやめ、また症状が出てこないかをみる治療法です。
これによって、ぜん息でない場合は、過剰な治療を避けることができます。ぜん息の場合には、乳幼児期という早期から適切な治療を行うことができ、その後のぜん息の重症化を防ぐことにつながります。
ぜん息かな?と思ったら、まずは医師に相談を。
抗IgE抗体には、アレルギー反応(炎症)を引き起こすもとになる「IgE抗体がマスト細胞にくっつくこと」をブロックする働きがあります。
その結果、ぜん息の症状を改善させ、発作を減らします。
アレルゲンを注射などによって体の中に取り込み、体質改善の面からアレルギーを治療する免疫療法は、昔から行われてきました。近年、新しいダニアレルゲンエキスが登場したことで、再び注目を集めています。
ダニアレルゲン免疫療法は、ダニアレルゲンエキスを注射で投与し、ダニに対する体の反応を変化させる、ぜん息の治療法です。
治療には長い年月がかかり、すぐに効果が現れるわけではありません。ダニアレルゲン免疫療法を受ける際には、さまざまな条件や注意点がありますので、特徴をよく理解したうえで臨みましょう。