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【課題番号】研究課題名【4-2305】歴史が生み出す二次的自然のホットスポット:環境価値と保全効果の「見える化」
研究代表機関筑波大学
研究代表者田中 健太研究期間 2023(R5)年04月 - 2026(R8)年03月 実施中
研究の要旨
成果報告
中間評価 中間評価個票 評価ランク:S
推進費4-2305のHPはこちら
植生と表土の履歴についての情報を全国的に地理情報化して、1850~2016 年の草原減少と、1850 年から継続している歴史の古い草原の分布を全国1km メッシュで明らかにすることに成功した。草原は1850~1900 年には国土の10%以上を覆っていたが、2016 年には数%に減少していた。現在残っている草原のほとんどは、この期間中に新たにできた二次草原や、新たに造成された牧草地であり、1850~1900 年に草原だった1km メッシュの99.5%は草原の歴史が断絶した。1850~1900 年から現在まで継続している歴史の古い草原は、国土の0.05%を占めるに過ぎないことが明らかになった。
この歴史の古い草原を生物多様性ホットスポットの候補と考え、新しい草原や森林と比べて生物多様性(植物、チョウ目・バッタ目・ハチ目・コウチュウ目・ハエ目の昆虫、真菌・細菌)が豊かなのかを検証した。草原の継続期間が⾧いほど草原性植物の多様性が高まることが全国スケールおよびモデル地域という異なる空間スケールで一貫して明らかとなった。また、環境価値(遺伝資源・斜面防災機能・炭素貯留機能・観光資源)が高いのかの検証に取り組み、今回評価した4 つの環境価値はいずれも、歴史の古い草原の方が、森林や歴史の新しい草原よりも優れていることが示された。
さらに、生物多様性や様々な環境価値の知見を多様なステークホルダー(利用者・管理者・住民・自治体・企業)に付与したときに、どれだけ保全動機を喚起できるか、社会的支援(資金・労力)を引き出せるかの解明に取り組んでいる。昨年度は、モデル地域において草原が持つ様々な環境価値の中で、草原管理者や市民にとっては生物多様性と斜面防災機能への関心が特に高いことが明らかになった。また、2014~2024 年までの10 年間の間で全国の草原ホットスポットの利用・管理実態とその制限・促進要因がどのように変遷しているかを明らかにしつつある。
歴史の古い草原の希少性やその生物多様性および環境価値に基づき、こうした草原ホットスポットを自然公園および民間地で保全管理するためのアウトカムとして、8つの提言および社会実装策を準備しており、一部では既に実装した。

環境研究総合推進費

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