- 概要
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国立環境研究所、産業技術総合研究所、サンシャイン・コースト大学による国際共同研究チームは、持続可能で健康的な食事の実現のために、2050年までに赤身肉(牛・豚・羊などの肉)を環境にも健康にも良い小型浮魚類(イワシ類、サバ類等)に代替した場合の、世界的に急増している4つの非感染性疾患(心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病、大腸がん)予防への影響を定量的に評価しました。
その結果、2050年には赤身肉消費量の最大8%が小型浮魚類に代替され、非感染性疾患による世界の死亡者数が50万~75万人減少し、さらにこれら4つの疾患によって失われる健康年数(障害調整生存年数(DALY)注釈1)が800万~1,500万年(一人につき約16~20年)減少する可能性があることがわかりました。
本研究では、アジアの内陸国やアフリカなど魚の摂取量が少なく、疾病を患っている人が多い国々に小型浮魚類をより多く割り当てることで、世界の非感染性疾患負担を大きく軽減できる可能性が示されました。本成果は、2024年4月10日付でBMJ社の国際学術誌『BMJ Global Health』に掲載されました。
開催日 公開日 |
2024年4月10日(水) |
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代表発表者 主催 |
Shujuan Xia (国立環境研究所) |
研究代表者名 | 高橋 潔(国立環境研究所) |
課題名 | 世界を対象としたネットゼロ排出達成のための気候緩和策及び持続可能な開発 |
URL | https://www.nies.go.jp/whatsnew/2024/20240410/20240410.html |