
症状に応じて、薬物療法や運動療法などの総合的な治療(呼吸リハビリテーション)を継続的に実践します。
COPD で肺胞が壊れたり、細気管支に炎症を起こすと肺機能の低下を起こします。残念ながら、一度破壊され、変化を起こした肺を元に戻すことはできません。
しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を抑制することが可能です。
COPD の管理目標
COPD が進行すると呼吸困難の症状により、運動能力や生活の質(QOL)が低下します。このような状態を改善するためには、薬物療法に加えて、運動療法や栄養療法、日常生活の管理などを総合的に行うことが重要です。このような包括的な治療は「呼吸リハビリテーション」と呼ばれています。
COPD は慢性の病気なので、治療は長期間に及びます。患者さん自身が病気と向き合って、自分の病気とうまく付き合う能力を身につけ(セルフマネジメント)、生涯治療を続けていくことが必要になります。
COPD 患者さんは、症状の急激な悪化(増悪)が命にかかわることがあります。そのため、ふだんから増悪を起こさない対策が重要となります。喫煙は呼吸機能が低下するだけでなく、増悪を起こす危険もありますので、喫煙を続けている人はすぐに禁煙をする必要があります。
また、冬を迎える前には、感染症予防のために、インフルエンザワクチンの接種が勧められます。さらに、COPD の患者さんが合併しやすい病気(8~9 ページ)に対する予防や治療も必要です。
日々変化する体の様子をチェックし、体調が安定しているとき(安定期)には、どのように過ごして病気の進行を防ぐのか、急に悪化したとき(増悪時)には、どのように対応をして悪化を防ぐのかを意識しながらセルフマネジメントをおこないます。