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サーキュラー・エコノミーEXPO ~2025年度~

開催概要

開催概要
日時 2026年3月17日(火)・18日(水)・19日(木)、10:00~17:00
開催場所 東京ビッグサイト 東展示棟第7ホール E31-15(ERCAブース)
(東京都江東区有明3-10-1)
イベントURL https://www.decarbonization-expo.jp/hub/ja-jp/about/ce.html外部リンク
参加方法 要来場登録(無料)
来場登録URL https://www.wsew.jp/spring/ja-jp/register.html?code=1588328896036948-1Y1外部リンク
環境研究総合推進費・展示課題
大阪大学・宇山 浩教授【3G-2501】 混紡繊維の分別・リサイクル技術の開発
詳細はこちら(PDF、3,007KB)PDF
山形大学・渡部 徹教授【3-2305】 下水道資源等を利用した良質な飼料作物栽培で目指す地域循環共生圏
詳細はこちら(PDF、3,777KB)PDF
九州大学・椿 俊太郎准教授【3MF-2302】 空間電力合成マイクロ波加熱を利用した有機廃棄物の高速炭化システムの開発
詳細はこちら(PDF、2,585KB)PDF
SIP第3期課題
サーキュラーエコノミーシステムの構築 プラスチックにおけるサーキュラーエコノミーシステムの構築を目指した、デジタル情報による市場の可視化、動静脈連携、再生材データバンクの構築などの取り組み
1.日本電気株式会社:プラスチック情報流通プラットフォーム(PLA-NETJ)の研究開発(仮)
2.株式会社野村総合研究所:PLA-NETJと欧州のDPPとの関係(仮)
3.サカエ理研工業:自動車内外装部品への適用に向けた試作および品質評価(仮)
4.豊田合成株式会社:自動車内外装部品への適用に向けた試作および品質評価(仮)
5.パナソニックホールディングス株式会社:容器包装由来再生樹脂の家電適応実証(仮)

※【 】内は、ERCAによる研究課題番号。

サーキュラーエコノミーとは?

「サーキュラーエコノミー(循環経済)」とは、従来の「作って、使って、捨てる」という一方向型の経済(リニアエコノミー)から脱却し、製品や資源の価値をできる限り長く維持しつつ、廃棄物の発生を最小限に抑え、資源を効率的に循環させる経済モデルです。
 生産段階から再利用やリサイクルを前提に設計し、新たな資源の投入や消費をできるだけ抑えるなど、あらゆるプロセスで資源の効率的・循環的な活用を図ります。こうした仕組みによって、サービスや製品に最大限の付加価値を生み出し、持続可能な社会の実現と経済成長の両立をめざしています。
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サーキュラーエコノミーを巡る世界と日本の動き

世界では、循環経済への移行が加速しています。欧州委員会は2020年3月、製品の設計から製造、利用、再利用、資源としての再生利用まで、ライフサイクル全体での取り組みを重視した「循環型経済行動計画」を公表しました。その後も、バイオプラスチックや生分解性プラスチックなどに関する総合的な施策(2022年11月)や、包装材に関する規則案(2024年3月)を打ち出すなど、持続可能な社会の構築を目指し循環経済への移行を積極的に推し進めています。さらに、2026年には「サーキュラーエコノミー法(循環型経済法)」を成立させ、この動きを一層加速させる見込みです。
 日本でも、循環経済への移行は重要な政策課題として位置づけられています。「第六次環境基本計画」(2024年5月閣議決定)では、ネットゼロ・循環経済・ネイチャーポジティブを統合的に達成し、ウェルビーイング(高い生活の質)を実現することが目標とされています。また、同年8月に閣議決定した「第五次循環型社会形成推進基本計画」では、「循環経済への移行は、気候変動、生物多様性の保全、環境汚染の防止等の環境面の課題と合わせて、地方創生や質の高い暮らしの実現、産業競争力の強化や経済安全保障といった社会課題の同時解決にもつながるもの」と位置づけられ、循環経済はますます重視されるようになっています。
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環境省「第五次循環型社会形成推進基本計画 ~循環経済を国家戦略に~」の概要より(スライド10)

環境研究総合推進費、SIP事業とサーキュラー・エコノミーEXPO

ERCAは、環境研究総合推進費SIP事業によって、環境研究・技術開発を推進させ、循環経済に貢献する環境研究・技術開発への支援を続けています。
 環境研究総合推進費は、環境政策への貢献を目的とした競争的研究資金制度です。最終的には、研究成果を、国の環境政策へ反映させたり、社会実装を目指して企業と連携させることにより、環境問題を解決に導くことを意図しています。
 SIP事業(戦略的イノベーション創造プログラム)は、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が主導する国家プロジェクトであり、日本の経済・産業競争力にとって重要な課題を産官学連携で推進し社会実装することを目指しています。
 環境問題を解決に導く研究や技術、あるいは環境政策への貢献度が高いと思われる研究や技術が多くの方の目に触れるよう、「サーキュラーエコノミーEXPO」に出展し、環境研究総合推進費の研究成果とSIP第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の取組をわかりやすく紹介しています。このEXPOは、循環経済・サステナブル経営を実現したい企業の経営者、幹部、経営企画、設計・製造部門などが多数来場する商談展となっています。

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写真は前年度のサーキュラーエコノミーEXPOより

環境研究総合推進費からは、「混紡繊維のリサイクル」、「下水道資源×飼料作物×養豚で地域循環共生圏を確立」、「マイクロ波で有機廃棄物を資源化」の3つの研究課題について展示します。いずれも、持続可能な社会を構築する観点から、各分野でリサイクル技術の高度化や効率化が求められていたテーマです。同時に、研究の進展により、近い将来の社会実装を見据えている課題でもあります。出展期間中は各研究課題の研究者が来場し、ミニセミナーを実施するほか、企業や自治体関係者との面談(マッチング)も行います。
 また、SIP事業からは、プラスチックの資源循環をテーマにした展示をします。SIP事業においても、関心を持つ企業等との面談を行います。

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EXPOでは、研究に用いられる資材も展示される(写真は前年度のEXPOより)

サーキュラーエコノミーEXPOの出展課題(2025年度)

1.大阪大学・宇山 浩教授【3G-2501】
「混紡繊維の分別・リサイクル技術の開発」PDF

衣料廃棄物の問題

循環経済が重視される中、廃棄物から資源を取り出し、リサイクルする取組は繊維・アパレル業界にもあります。しかし、ポリエステルと綿などの混紡繊維が多く、この混紡繊維に関しては、異なる素材が組み合わさっていることから分別が難しく、リサイクルが進んでないのが現状です。したがって、衣料廃棄物は焼却や埋立処分が多く、CO2排出などの環境負荷につながってしまっています。

電子レンジの原理で効率的分別が実現

マイクロ波は電子レンジにも用いられていますが、宇山教授は、適切な触媒と溶媒を組み合わせることで、マイクロ波照射によって、ほんの数分でポリエステルを分解し、綿については綿のまま回収できる技術を開発しました。
 ポリエステルは、PETを作る前段階の物質(BHET)になり、しかも高純度であるため、ペットボトルなどに再製品化される道が開けました。
 一方、綿は品質を損なうことなく綿として回収できるため、再利用が可能です。

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©宇山浩

循環型ビジネスの展望

ファストファッションの普及で、大量生産、大量廃棄に拍車がかかり、環境負荷の大きな産業として注目を浴びてしまっている近年のアパレル業界ですが、このように、混紡繊維を含む廃棄衣料に関しても、循環型ビジネスの可能性が見えてきており、関係業界から熱い視線を送られるようになりつつあります。
 宇山教授は、繊維・アパレル企業と組んでの技術開発にとどまらず、衣料品の量販店や商社と連携し、廃棄衣料の回収および再資源化のシステム構築にも乗り出そうとしています。ここに、自治体の関与も加われば、地域単位での廃棄衣料回収スキームを立ち上げることができると考えています。宇山教授は、こうした製品開発や共同実証を通じて、サステナブルな未来を作り上げるべく、関係業界、自治体に広く協力を呼びかけています。

2.山形大学・渡部 徹教授【3-2305】
「下水道資源等を利用した良質な飼料作物栽培で目指す地域循環共生圏」PDF

下水道資源に始まる地域循環共生圏

全国に普及する下水道。人々の生活から排出されるため、そこを流れる水には窒素やリンが豊富に含まれています。これらは植物の生育に欠かせないものですが、農業に利用しようという取組は国内外ともに進んでいません。
 輸入飼料の価格が高騰する昨今、価格が安定した国産飼料の確保が重要になってきていますが、山形大学の渡部教授は、上記の取り組みを循環経済の中に位置づければ、農業にとどまらず、畜産にも役立つものとなり、「食」、「資源」、「経済」の循環が可能になると考えました。
 つまり、下水処理水で米やトウモロコシ(デントコーン)を生育させれば、養豚に必要な飼料を供給することができ、それが持続可能なものとなれば、「地域循環共生圏」の構築ができるとしています。

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©渡部徹

飼料も肉も高品質

飼料用の米やデントコーンの品質が十分でなければ、注目を集めることはできないでしょう。また、それらを食べて育った豚肉の質が物足りなければ、市場での評価がついてこないでしょう。こうした点も渡部教授は追求しています。
 飼料用の米については、下水処理水で水田を連続灌漑することで、肥料を一切用いることなく高品質な米を収穫できました。処理水を灌漑利用できない水田では、基肥の化学肥料を汚泥コンポストにすべて置き換えても、従来の栽培法と同等の品質の米が得られました。デントコーン栽培では追肥が必要なく、基肥の汚泥コンポストだけで十分な収量を確保できました。
 さらに、消化汚泥脱水分離液(微生物による分解を経た汚泥を脱水して得られる液体)を追肥に使うことで、米、デントコーンともに品質の向上に成功しました。
 これらの飼料で育てた豚肉は、市販の豚肉と質的に同等以上であり、香りや旨味の点ではより高い評価を獲得しました。

地域循環共生圏に向けて

この豚肉から作ったハムやソーセージを市場価格で販売すれば、地域のサプライチェーン全体で適正な利益が得られることが分かり、これは「地域循環共生圏」が持続可能な形で成り立ちうることを示唆しています。
 渡部教授は、下水道資源の飼料への利用では農業団体・肥料メーカー、その畜産利用では畜産業者・飼料メーカー、下水道に由来する肥料資源の新たな開発では水処理メーカーとの協働を考えています。
 下水道資源に始まる「地域循環共生圏」の構想実現に向けて、国内に限らず、国外も視野に入れて、共同研究、共同事業を呼びかけています。

3.九州大学・椿 俊太郎准教授【3MF-2302】
「空間電力合成マイクロ波加熱を利用した有機廃棄物の高速炭化システムの開発」PDF

廃プラスチックなどの有機廃棄物の現状

この数十年で急増したプラスチックの利用と廃棄は、世界各地で海洋汚染を生じており、その解決は世界的関心事となっています。プラスチックだけでなく、バイオマスを含めた有機廃棄物全体の適正な処理と有効活用へのニーズは高まる一方です。
 しかしながら、有効活用するために炭化を試みても、従来の加熱方式では、長い加熱時間と多量のエネルギーを必要とします。マイクロ波加熱による方式もあるものの、既存の方法では、補助材料としてマイクロ波吸収助剤を投入したり、高出力な装置を用いたりするため、そのままでは実用化できない面があります。

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©椿俊太郎

マイクロ波の空間電力合成が解決

九州大学の椿俊太郎准教授はマイクロ波を用いた新たな加熱技術の開発に着手しました。
 つまり、マイクロ波のエネルギーを集中的に照射する「空間電力合成」の技術開発に努めています。複数の波が重なり合うようにすることで、エネルギーを一点に集め、非常に強いエネルギーを有機廃棄物という対象物にぶつけるのです。
 こうして、バイオマス、廃プラスチックなどは瞬時に、タールやチャーなどに熱分解できるようになりました。タールは油状の液体、チャーは炭のような物質で、これらは続いて、芳香族材料や炭素材料に転換され、基礎的な有用物質として広く様々な用途に用いられていきます。

マイクロ波で有機廃棄物が地域で資源化

こうして、空間電力合成技術を用いたマイクロ波によって、リサイクルに課題を抱えていた有機廃棄物は、即時に資源となる形での処理を展望できるようになりました。
 特に、従来型の電力でなく、再生可能エネルギーを利用して処理装置を動かせば、これらエネルギーは太陽光、風力などの地域資源であるため、地域単位での廃棄物処理施設の運用が見えてきます。持続可能な社会においては、大規模にではなく、小規模分散型のエネルギーが指向されていますが、マイクロ波を応用した技術は、この要請にうまく応える性質を備えているのです。
 環境関連設備企業や自治体と連携し、小型分散型炭化プラントの導入や実証実験に取り組む構想を掲げ、椿准教授は協働するパートナーを探しています。

4.SIP第3期課題
「サーキュラーエコノミーシステムの構築 ~3つのサブ課題で進めるプラスチックの資源循環」

サブ課題A:循環市場の可視化・ビジネス拡大を支えるデジタル化・共通化

プラスチックを循環させるためには、素材開発、製品の製造、流通、消費、回収、分別といった過程での物質の流れを把握し、デジタル情報として管理することで、可視化する必要があります。SIP事業では、日本電気(NEC)と野村総研(NRI)が協力して、「プラスチック情報流通プラットフォーム(PLA-NETJ)」の構築及び PLA-NETJ で流通すべき情報に関するルールを整備することで、これを実現しようとしています。

サブ課題B:資源循環の拡大を促す動静脈・静動脈連携

使用済プラスチックのよりよい回収方法を確立し、適切に分別できれば、製造現場に対して、高品位のプラスチック素材を安定的に供給することができるようになります。そうすれば、高い安全性や耐久性が求められる自動車用のプラスチックに関しても、再生プラスチックを採用する道が開けます。そこで、本SIP事業では高品質な再生材の低コスト・安定的な供給を行うため、使用済プラスチックや、自治体の協力に基づく回収プラスチックの分別・供給システムを開発しています。

サブ課題C:循環性向上と可視化のためのプラットフォーム整備

プラスチックと一口に言っても、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など、種類は様々です。性質もそれぞれ異なるため、プラスチック製品が何からできているか、物性データを収集し、分析し、データベース化することが必要です。データベースができれば、プラスチック素材の利用を促す基盤が整います。これを「再生材データバンク」と呼んで、プラスチックの中で一番需要が多いポリプロピレン(PP)を中心に、情報の蓄積を進めています。
 自動車については、欧州委員会が発表したELV規則案に対応できるよう実証実験をおこなっています。この規則案では、将来的に、新車のプラスチックの25%以上を再生プラスチックにするといったことが謳われています。本SIP事業では、この基準に適合した自動車部品の開発を進めています。また、2025年度からは家電分野への展開も行っています。

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環境研究総合推進費

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