すこやかライフNo.48 2016年9月発行
特集:上手なサポートで薬嫌いを克服しよう
病気が原因の場合
飲めないときは無理に飲ませない「薬=吐いてしまう」ことにつなげない
とくに胃腸が弱って吐き気があるときに、無理に飲ませることで、「薬を飲むと吐いてしまう」という意識を子どもに植え付けてしまうこともあります。決して無理に飲ませないようにしましょう。
たとえばこんなときは…
- 熱が高く、機嫌が悪くて飲めないとき
- まずは、熱を下げるために冷却と水分補給を優先させ、子どもが薬を飲めそうなタイミングを待ちましょう。
- 吐き気が強くて飲めないとき
- 無理に飲ませないことが大切。定期的に飲んでいるぜん息の薬などがある場合は、吐き気がおさまるまで飲まなくてもいいか、医師と相談しましょう。
- 口の中やのどに痛みがあって飲めないとき
- 飲みやすい剤形(薬のかたち)に変更できるかなど、医師に相談しましょう。また、飲み込みやすい服薬ゼリーなどを使うこともできます。
上荷先生のワンポイントコラム
服薬の基本は「回数を守る」・「指示どおり飲みきる」
処方薬を飲ませるときは、回数を守りましょう。最近、小児科では「食後」に替わり、食事に関係なく「1日○回」という回数が使われるようになっています。満腹時、乳幼児はなかなか薬を飲めませ
ん。また、食事がとれないことや学校・園にいることを理由に飲ませることができない例もあるためです。ただし、食後のほうが吸収のよい薬もあるので、必ず指示に従いましょう。
「飲みきる」という指示が出た場合、守ることも大切です。症状が見られなくなったら飲ませるのをやめてしまいがちですが、子どもの場合、目に見える症状と実際の症状が違うことが多くあります。また再診時、医師は前回の薬を飲みきったことを前提に診断・処方します。飲みきっていないときは正直に、理由を医師や薬剤師に話しましょう。
- 母:「薬を飲んでも咳が止まりません」
- 医師:「おや そうですか」
- 母:「…って言ったけどホントは1日分しか飲まなかったのよね」
- 薬剤師:「あれ?薬が増えてますね。前回の薬は全部飲みましたか?」
- 母:「いえじつは…飲んでません」
- 薬剤師:「前回の薬を飲みきった前提で今回の薬が処方されてるんですよ」
- 母:「えっ!」
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