全国ユース環境ネットワーク事務局は、持続可能な社会の実現において重要な役割を担うユース世代の環境活動を促進するための事業の一環として、全国各地で研修やセミナーを開催しています。
昨年閣議決定された「第五次環境基本計画」のなかで、SDGsの考え方も活用した「地域循環共生圏」が提唱されました。
これは、各地で地域資源を最大限活用しながら、自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合い、それによって地域の活力が最大限に発揮されることを目指すもので、立場やセクターを超えて連携し、また、長期的な視点を持って取り組むことが必要となります。とりわけ次世代の担い手である「ユース世代」のみなさんの役割がますます重要になっています。
そこで今回は、SDGsに加えて「地域循環共生圏」をテーマとし、また本事業では初めて、地域の高校生と大学生が一緒に学び、交流する機会として、「九州地方ユースSDGsフォーラム」を開催しました。
焼けるような暑さの中、それを上回る熱い想いを持った、40名の高校生と16名の大学生に九州各地から参加いただきました!
環境省大臣官房 環境計画課 企画調整室長 岡野 隆宏さん
SDGsの基本的に考え方や、その達成のためには社会のあり方を変える必要があることを説明され、現在環境省が進めている「地域循環共生圏」について学生たちに向けて分かりやすく解説いただきました。自分たちの地域にある資源をもう一度見つめ直し、その資源を上手に使って環境の課題を解決しながら、地域の社会を良くして経済的にも元気にすることが、すべてSDGsにつながっているとまとめました。国際的な目標であるSDGsが、自分たちの普段の生活や活動とも密接に関係していることを実感できた講演となりました。
NPO法人循環生活研究所 木村 真知子さん
木村さんが取り組んでいる、家庭で簡単に堆肥を作ることができるダンボールコンポストを開発し、厄介者扱いされる生ごみや落ち葉や雑草、海藻のアオサなど、いろいろな有機物を堆肥化する活動を紹介いただきました。
参加者の中には堆肥作りに取り組んでいる高校生や大学生もおり、質疑では活動を進める上での苦労や、地域の方々とどのように協働していくことが必要かなど、実践的な質問も寄せられました。
九州地方環境パートナーシップオフィス コーディネーターの澤さん、長峰さんらによるファシリテーションのもと、SDGsに関するワークショップを行いました。
前半では、一番関心の高いSDGsの目標を1つ選び、同じ目標を選んだ高校生、大学生に先生でグループを作って、知っていることや気になること、問題意識などについて意見交換を行いました。
後半は今回の研修で得た知識やSDGsの目標について考えたことをもとに、自分たちがこれから活動していく上で一番大切にしたい課題やテーマ、活動ビジョンや取組みについて、「ユースSDGsエール」としてまとめました。
発表では、それぞれの問題意識をもとに力強くエールが投げかけられ、聞き入る参加者の表情は、今後の活動への意欲を新たにしたように、キラキラと光っていました。
また、ワークショップに並行して行われた教員同士の意見交換では、日ごろの活動づくりの工夫や、発表機会を活用したスキルアップ、生徒たちの自発的な取組への期待などについて、情報交換・交流を行いました。
本事業においても、これまで高校生と大学生が同時に参加する研修の例は少なく、また、九州という広域からの参加ということもあり、最初はお互い話しかけることも難しかったようですが、さすがユース世代、プログラムが進むにつれて打ち解け合い、自分たちの活動や今後取り組みたいことなど、活発に交流する姿が見られました。
SDGs、そして地域循環共生圏の達成には、各地域で環境活動、そしてその担い手であるユース世代の活躍が不可欠です。全国ユース環境ネットワーク促進事業は、今後も高校生や大学生等と一緒に、 SDGs、そして地域循環共生圏の達成に向かって取り組んで参ります。
参加いただいた皆さん、ありがとうございました!