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特別号 地球環境基金は30周年を迎えました No.56 2024年3月発行

地球環境基金便り No.56 (2024年3月発行)

助成先団体のご紹介

地球環境基金では、20周年を機に助成メニューを刷新。
この10年間に新たに創設された助成メニューをご活用いただいた2団体をご紹介します。

CASE.1 助成メニューを活用し、活動をステップアップ!

企画部長浅輪 剛博さん

一般社団法人自然エネルギー
共同設置推進機構(NECO)
活動分野脱炭素社会形成・気候変動対策
助成メニュー
  • 2016年度(はじめる助成)
  • 2017年度、2018年度、2019年度(つづける助成)
  • 2020年度、2021年度、2022年度(ひろげる助成)

■助成によって実ったこと 助成金のメニューに沿って事業を推進!
活動の幅を広げていくことができた

 2013年に団体が発足して以来、一般社団法人自然エネルギー共同設置推進機構(以下、NECO)では、長野県上田地域を中心に屋根上の太陽光発電に関する事業支援をおこなってきました。しかし、ソーラー普及や省エネ問題といった諸課題に対し、別アプローチによる解決が必要だと感じ、新たな活動を始めようと考えていました。そのような状況で、地球環境基金の「はじめる助成」の支援を受けました。
 「はじめる助成」では、共同出資による節電改修、木質バイオマス熱利用などの新規事業を試し、省エネ機器の普及や建物の断熱など、省エネ・シェアの取り組みを進めることができました。
 この新規事業をさらに深化させるため、「つづける助成」では、地域全体での省エネ実現を促す協議会を作り、太陽熱や森林バイオマス熱を公共施設などで利用する環境を整えました。活動を続けられたことで周囲との信頼関係を築け、新たな成果につながりました。継続は力なり、です。
 そして、「ひろげる助成」では、「脱炭素の活動は、まちづくりにつながる」という理念のもと、市民、自治体、事業者などを巻き込んで、「持続可能なまちづくり」学習会を開催し、まちの課題解決のために多くの人に関心を持ってもらうよう取り組みました。その結果、市内の文化施設や学校において断熱改修をおこなうことができ、この取り組みは全国紙の一面トップで紹介され、長野県の予算化にもつながりました。
 それぞれの助成メニューの趣旨を意識することで、助成金の意図に沿った事業の企画立案をしていけたと思います。また、7年間という助成期間のおかげで、さまざまなステークホルダーとの関係性を構築することができ、自然エネルギー100%を目指す「持続可能なまちづくり」の一端を担うことができました。

■はじめる助成営農と太陽光発電を両立させる「ソーラーシェアリング」。全国サミットも開催し、各地から多くの人が集いました。

■つづける助成上田市内の高校で続けてきた断熱改修ワークショップは、新聞やテレビをはじめ地域の話題になりました。

■ひろげる助成企業、行政、NPOなど多様な属性の人が集まる「上田リバース会議」。データに基づいた対話を重ね課題を共有し連携。

■現在の活動ゼロカーボン×公共交通
上田市が脱炭素先行地域に!

 少子高齢化や人口減少が進む中にあって、多くの上田市民が不安に感じていることは、移動手段が確保できなくなることです。現在、上田市民の移動手段は、自家用車が圧倒的な割合を占めていますが、道路や橋の維持費は高騰が見込まれ、インフラ維持は厳しくなっていくことが予想されます。
 そこで、NECOでは将来の負担を減らすため、公共交通を活用した歩いて暮らせるまちづくりをおこなっています。
 新たな事業として、上田市と別所温泉をつなぐ上田電鉄別所線沿線の住宅、公共施設、ため池などに太陽光発電パネルを設置し、別所線や沿線の住宅などに電力を供給する取り組みを開始しました。この仕組みにより、上田電鉄には通常料金より割安で電力を共有できる見通しです。この事業は、2030年度までの脱炭素化を目指す「脱炭素先行地域」に選ばれています。
 NECOが目指しているのは、一つの取り組みで多面的なメリットが生まれることです。公共交通の維持は移動の不安を解消するとともに、まちの活性化や人々の健康増進、もちろん温室効果ガス排出の削減にもつながっています。
 上田市では、2000年をピークに人口減少が始まり、これまで隠れていた地域課題が見つかってきています。しかし、「上田をリバース(Reverse/Rebirth)させよう!」という決意のもと、これからも永く住み続けられる上田市を目指して活動を続けていきます。

■これからの展望多くの人に関心を持ってもらい
心を揺さぶるような活動をしたい

 環境に関心がある人だけでなく、多くの市民の普段の行動が変わっていくことが、本当に環境を変えていくことにつながります。そのために、学校教育やまちづくりなどいろんな分野の人と協働したいと思っていた時に、地球環境基金の助成とアドバイスをいただくことで、大きな成果に結びつけることができました。
 地域のあらゆる主体との連携・対話・課題共有を通して、誰一人取り残すことなく、共感してもらえる活動を続け、明るい上田の未来を作っていきたいと考えています。

3つの助成メニューを上手に活用いただき、活動の領域をどんどんと広げ、さまざまな切り口から「持続可能なまちづくり」を推進。生活の質を上げることが結果として環境問題の解決につながっている、というアプローチがとても素晴らしいです。これからもぜひ、多彩なステークホルダーと協働して地域課題に取り組んでいってください。

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