全国ユース環境ネットワーク促進事業に協賛いただいているSGホールディングス株式会社にご協力いただき、高校生企業環境研修を行いました。
神奈川県立商工高等学校、慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部、晃華学園中学校高等学校のみなさんが、2025年11月2日(日)に佐川急便高尾100年の森を訪問し、SGホールディングス株式会社の環境活動について学ぶとともに、森林散策・動植物の観察および森林整備作業を体験しました。
| 日時 | 令和7年11月2日(日) |
|---|---|
| 場所 | 佐川急便 高尾100年の森(東京都八王子市) |
| 主催 | 独立行政法人環境再生保全機構 全国ユース環境ネットワーク事務局 |
| 協賛 | SGホールディングス株式会社 |
| 参加高校 | 神奈川県立商工高等学校 慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部 晃華学園中学校高等学校 |
まず、参加者やスタッフの自己紹介を行った後、「佐川急便高尾100年の森」の維持管理に携わっている環境プランナーより、フィールドの概要や本日の活動内容についてオリエンテーションを受けました。その後、SGホールディングス株式会社スタッフより、企業の事業概要や環境対策の内容、企業にて管理している森林の概要、森林の環境機能についてのミニ講座が実施されました。
次に、スタッフからフィールドでの動物目撃例や森林散策での注目ポイントなどについて解説を受けた後、実際に森林歩道を歩いて森の動植物観察を行いました。森林の構成樹種や整備の考え方、動物のすみかや習性がうかがえる行動の痕跡、森林生物間の関係性や人間の関わり方など、生態系の循環やバランスについて考えを深めることのできる解説が印象的でした。

その後、別のフィールドへ移動し、灌木が密集した薄暗い区域に日射を入れるために、藪や樹木の伐採を行う森林整備活動を実施しました。子どもの腕の太さほどもある樹木でも協力しながらノコギリで伐り、伐採木を腕いっぱいに抱えて運んでいく高校生のパワーは大変頼もしく、活動地は見る間に日当たりが良く見通しの良いフィールドへと変わっていきました。
力仕事の後は楽しい昼食の時間となりました。各自で持参したお弁当のほかに、高尾100年の森のスタッフの皆さんに準備いただいた豚汁やコーヒー・お茶などもふるまわれ、参加者は舌鼓を打っていました。こってりあたたかな豚汁や飲み物は疲れた体にしみわたり、参加高校生はしっかりとパワーを回復していました。

午後は、フィールドの自然物から指定した色見本に似た色を探し出す「色探しゲーム」を学校対抗で実施しました。日本の伝統色である鸚鵡緑(おうむりょく)色、熨斗目(のしめ)色、桜桃(おうとう)色の色見本が各グループに配布され、参加高校生は四苦八苦しながら似た色を探し出して集合場所へ持参し、審査員を務めるSGホールディングス株式会社・ユース事務局スタッフへ熱意のこもったプレゼンを行いました。持ち寄られたものの中には、色鮮やかなタマムシの翅や、生きた虫などもあり、高校生の観察眼の鋭さが感じられました。
午後の二つ目のプログラムとして、傾斜のある植樹地の崩壊を防ぎ、動物の通り道にもなる粗朶(そだ)の修復作業と、クヌギ・コナラの植樹作業を行いました。午前に伐採した灌木を活用して粗朶を積み増し、以前に植樹した苗木とのバランスをはかりながら、3本の苗木を新たに植樹しました。

植樹活動の後は本日のふりかえりを行い、高校生一人ひとりからコメントや感想共有をしてもらいました。高校生からは以下のようなコメント・感想が寄せられました。
・実際に木を伐る作業は疲れたけれど楽しかった。作業前後の変化に感動した。
・これまで森林に関わったことがなかったが、実際に目で見て体験できて良かった。
・色探しゲームでは緑の多様さを実感できた。
・木を伐るのが楽しかった。森に人が手を入れて循環をつくっていくことの大切さが分かった。
・実際に森で色々と体験してみて、教科書でしか見たことがなかった生態系の豊かさの一端を感じられた。
最後にSGホールディングス株式会社スタッフから、本日の活動のまとめとして「本日の活動で自然の素晴らしさ、重要さを体験・実感してもらえたようで嬉しい。本日学んだことを、ぜひ後輩や周りの皆さんにも伝えてほしい。また機会があればこの森に関わってもらえると嬉しい。」とのコメントがありました。
人が手入れをすることで豊かさが保たれている森林を丁寧に観察・体感し、実際に整備作業も体験することで、普段のくらしや学校の授業では学ぶことができなかった里山森林生態系の豊かさ、奥深さ、保全していくことの大切さを実感する機会になったかと思います。
今回植樹した苗木が上手く育てば、10年後には人の背丈ほどになるそうです。今回の参加高校生の皆さんには、また高尾100年の森を訪れ、引き続き豊かな森を支える人の環に加わってもらえることを期待しています。
ご参加いただいた高校生の皆さん、ありがとうございました!
「全国ユース環境ネットワーク」は、今後も環境活動に取り組むユース世代を応援してまいります。