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SIP課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源の投入や消費を抑えつつ、製品や資源を長く、効率的に活用し、製品のサービス化(所有から利用へ)などを通じて付加価値を創出する経済の仕組みです。資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指し、従来の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取組も、その実現に向けた重要な手段の一部として位置づけられています。

リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

これまでの「作って、使って、捨てる」を前提とした大量生産・大量消費型のリニアエコノミー(線型経済)は、大量の廃棄物を生み出し、健全な物質循環を妨げるだけでなく、気候変動、天然資源の枯渇、生物多様性の喪失など、深刻な環境問題を引き起こしています。特に、プラスチックごみや電子廃棄物の増加は、海洋汚染や有害物質の拡散といった新たな課題を生み出しています。

大量の廃棄物を生み出す量生産・大量消費型のリニアエコノミーのイメージ図

こうした課題に対応するためには、廃棄物と汚染が最初から出ないように製品やサービスを設計し、資源を無駄なく循環させるサーキュラーエコノミーへの移行が不可欠です。これは、持続可能な未来を築くための重要な鍵となっています。

リニアエコノミーを再設計し、サーキュラーエコノミーへの移行が不可欠であることを示したイメージ図

プラスチック問題

身近な素材 プラスチック

プラスチックは主に石油を原料とする合成樹脂で、軽量かつ加工が容易で安価な素材であることから、食品容器やペットボトル、家電製品、自動車、飛行機、建物に至るまで、我々の身の回りで広く利用される必要不可欠な素材です。
一方で、原料となる石油資源の浪費や、海洋プラスチックの拡散など、様々な問題も指摘されています。こうした問題への対応は、主として環境保全の観点から議論されてきましたが、国際的なルール形成の中で企業の競争力を維持するうえでも重要性を増しています。

ELV規則案への対応

欧州委員会が提案するELV規則案※1では、新車に使用する再生プラスチックの含有率を、発効後6年で15%、10年で25%とする※2方針が示されています。しかし現状、自動車部品に求められる高度な品質基準を満たす再生プラスチックは不足しており、将来的な供給不足が懸念されています。この課題を解決するためには、幅広く使用済みプラスチックを集め、高品質な再生素材を安定的に確保・再資源化する仕組みの構築が急務です。
※1 使用済み自動車(ELV:End-of-Life Vehicles)の廃棄やリサイクルに関する新たな規則
※2 欧州理事会、議会暫定合意案・可決(2026年2月)

サーマルリカバリーからマテリアルリサイクルへ

現在、日本の廃プラスチック処理は、焼却時の熱を利用する「サーマルリカバリー」が主流です。しかし、焼却過程では大量のCO2が排出されるため、地球温暖化対策の観点からも望ましい方法とは言えません。 このため、プラスチック使用量の削減やマテリアルリサイクル(素材としての再利用)の強化が強く求められています。

※プラスチック循環利用協会 プラスチックリサイクルの基礎知識2025より

SIP課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」について

概要

本SIP課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」においては、下記の研究開発テーマにより、今後も使用が増え続けることが見込まれる「プラスチック」の循環経済実現を目指します。


研究開発テーマ&研究体制

以下のとおりサブ課題A~Cを設定し、各々連携しながらサーキュラーエコノミーシステムの構築を目指します。

課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」で取り組むべき内容を整理し、サブ課題3つを設定。サブ課題エーは、循環市場の可視化、ビジネス拡大を支えるデジタル化、共通化。サブ課題ビーは、資源循環の拡大を促す動静脈、じょうどうみゃく連携。サブ課題シーは、循環性向上と可視化のためのプラットフォーム整備。

参考