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A1-01 循環市場拡大に資するプラスチック情報流通プラットフォームの研究開発

研究開発責任者

撫佐 昭裕(日本電気株式会社)

研究開発概要

欧州をはじめとした先進国はサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを加速している。我が国においてもサーキュラーエコノミーを支える仕組みやシステムの整備が急がれている。本研究開発プロジェクトは、プラスチックに関わる素材開発、製品製造、流通、回収、分別等のリサイクル物質の流れを管理・可視化するプラスチック情報流通プラットフォーム(PLA-NETJ)を開発するものである。

中間目標として、EUにおけるELV規則案への対応を第一優先として、本SIP課題に参加している企業の協力のもと本プロジェクトで開発したPLA-NETJを用いて、Minimum Viable Product(MVP)における有効性を実証し、X to Carにおけるプラスチック素材の管理・可視化へ繋げる。また、国内外のデータスペースとの連携においては、相手側の開発状況に応じて設計・開発を進めていく。最終目標として、PLA-NETJの機能強化版を開発して、動脈・静脈の流れについて有効性を実証し、またプラスチック以外の産業にも活用できることも示していく。

進捗・成果

2024年度までにPLA-NETJの概念設計と登録データの検討を実施し、トラスト機能、データ管理機能、アプリケーション機能の三層構造からなるPLA-NETJ MVP版の初期バージョンを開発した。図1がPLA-NETJの概念図である。図1では、各企業にPLA-NETJが配置され、各企業のデータが管理されるデータ主権型システムのイメージを表している。

プラスチック情報流通プラットフォーム プラネットジェイの概念図。プラスチックの循環をデジタル情報で接続する。

図1 PLA-NETJ概念図

PLA-NETJに登録するデータの概要を下記表1に示す。

DPP ID、基本情報、詳細情報、法規制情報、デューデリジェンス、材料情報、履歴情報を登録する。

表1 登録データの概要

2024年度はELV規則案の対応を念頭において、リサイクル材を用いた車載部品の製造において、部品メーカー、コンパウンダ―、リサイクラーにPLA-NETJを利用してもらい、図2のようにデータのトレーサビリティーの実証に成功した。

トレサビリティのイメージを示した概要図

図2 トレサビリティのイメージ