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A3-01 バイオマス資源利用の自然資本への影響評価手法の開発

研究開発責任者

角谷 拓(国立研究開発法人国立環境研究所)

研究開発概要

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の枠組みは、企業に自社のサプライチェーンに内在する様々な自然関連リスクの報告と低減を求めるものである。

本研究開発では、バイオマスプラスチックを含むバイオマス資源利用の自然資本への影響評価手法を高度化し、TNFDに準拠した評価枠組みを確立することを目的とする。特に、バイオマス資源として用いられる代表的な農産物を含む農畜産物の生産量データ、サプライチェーン分析、生物多様性指標を評価可能にすることを目標とする。目標達成のため、TNFDに対応した自然資本への影響の評価と開示に関する取り組みの状況や評価手法等についての情報収集を実施する。

その上で、農作物を含むバイオマス資源を中心としたサプライチェーンに内在する自然資本、とりわけ農業生産活動により大きな影響を受けることが予測される生物多様性への影響を全球スケールで評価するツールの高度化を行う。それをふまえ、バイオマス資源サプライチェーンに直接的あるいは間接的に関わる企業と連携し、企業単位での影響評価手法の開発を行う。これらを通じて、バイオマス資源利用に関連するセクターにおけるTNFD枠組みに準拠した評価手法を確立し、実装への道筋をつけることでサーキュラーエコノミーシステムの構築に貢献する。

進捗・成果

バイオマスプラスチック原料を主とした自然資本への影響評価手法と評価ツールを開発し、サービス提供のためNature Data社を起業した。Nature Data社では、企業の調達地別、農畜産物・鉱物別に、森林伐採などの自然資本への影響を評価できるツールを無償で提供している。ただし、生物多様性などの情報は商用データを利用する必要があるため、有償で企業にデータを提供し始めた。

本ツールを用いることで、例えば、ユーザーが農産物と生産場所を指定すると、農産物の生産の過程でその場所で生じる森林減少や生物多様性リスクの上昇といった影響を評価し、同じ農作物を調達する場合の国や地域の平均的な影響、あるいは世界的に見たときの平均的な影響と比べてどの程度大きいかの比較が可能になる。

このような評価ツールの検証として、商社との連携の下、バイオマスプラスチックの原料候補となるキャッサバのタイにおける調達地情報を用いて、森林と生物多様性への影響評価を実施した。

ティーエヌエフディーに対応した自然資本への影響を評価、可視化するため、バイオマスプラスチックを含むバイオマス資源利用の環境影響評価指標とサプライチェーン分析の高度化を行う。

研究開発の概要

進捗、成果を表した概要図。自然資本景況評価ツールの開発と商社等と連携した検証を行うことで評価ツールの高度化、スケール化を行う。

進捗・成果の概要