環境試験・診断・トレーサー技術の確立と産業応用のためのデジタル解析基盤の構築
代表機関
国立研究開発法人物質・材料研究機構
研究開発概要
本SIPが定めるミッション1、2及び3を達成するため、以下の研究開発に取り組む。
2026年度は、NIMS SIPラボを中核拠点として、リサイクルプラスチックの高度資源循環を実現するためのデータ駆動型研究基盤の構築と、AIを活用した品質評価・予測技術の高度化を継続的に推進する。
まず、再生ポリプロピレン(rPP)を中心としたリサイクルプラスチックについて、材料組成、構造解析データ、物性、加工履歴、劣化履歴などを統合的に蓄積するデータベースの構築を進める。特に、X線回折(XRD)、赤外分光(IR)、ラマン分光、熱分析などの計測データをデジタル化・標準化し、材料情報を横断的に利用可能な研究基盤を整備する。
さらに、構築したデータベースを活用し、AI・統計モデリングを用いた物性予測技術の高度化を行う。リサイクルプラスチック特有の品質ばらつきや不確かさを考慮しながら、機械特性や成形加工性などを高精度に予測可能なモデルの開発を目指す。
また、リサイクルプラスチックの利用拡大を妨げる要因である臭気成分や塩素系不純物などに着目し、それらの発生要因の特定および低減・除去技術の検討を進める。データ科学と分析化学を融合することで、品質劣化や異物混入を早期に検知できるデジタル品質管理技術の構築を目指す。
加えて、リサイクル材の由来や履歴を識別・追跡可能とするためのトレーサー技術の開発を推進する。これにより、リサイクル材の品質保証やトレーサビリティ向上を図り、安心・信頼性の高い資源循環システムの実現に貢献する。
これらの研究を通じて、NIMS SIPラボにおけるデータ駆動型マテリアルリサイクル研究をさらに発展させ、サーキュラーエコノミーの実現に向けた基盤技術の確立を目指す。

