本文へ

C1-01 動的架橋構造を有するネットワークポリマーを基軸としたサーキュラー素材開発
~ 自己修復機能性材料を活用したCFリサイクル循環システムの社会実装 ~

共同機関

帝人株式会社

研究開発概要

本研究開発では、動的架橋構造を有するネットワークポリマー(自己修復性樹脂)を基軸とした新規サーキュラー素材を開発し、炭素繊維(CF)のリサイクル循環システムの社会実装を目指す。開発樹脂は熱可塑性・熱硬化性の性質を兼ね備え、既存のエポキシ樹脂プリプレグプロセスでそのまま製造可能(設備投資不要)でありながら、低粘度で樹脂含浸が容易である。さらに、特殊な環境下でのみトリガー高速分解する設計により易リサイクル性を実現し、「原材料→プリプレグ→製品→使用済→リサイクル」の完全循環の構築を進める。

進捗・成果

  1. 低温・低エネルギーでのCF回収・樹脂分解プロセスを実証(PoC完了)
    自己修復性樹脂(ジスルフィド系材料)を用いたCFRPについて、溶液法(70℃×2時間)による低温・低エネルギーでの繊維回収技術を確立し、高品質・高生産性のCFリサイクル&樹脂分解プロセスをPoCとして実証した。回収・分離技術は次のQCPを達成している。
    • 品質(Q):低ダメージ・連続繊維での回収(強度保持を確認)
    • コスト(C):低コストプロセス
    • 生産性(P):低エネルギー(低温70℃・常圧・短時間処理)
    CFRP開発の全体像の概要図

    図1.自己修復性樹脂(ジスルフィド系材料)を用いたCFRP開発 全体像
    〔PoC完了:低温・低エネルギー繊維回収技術の確立〕

  2. 回収CFはリサイクル材として実用可能な強度・品質を達成
    回収炭素繊維の単繊維引張強度(試験長 L=10mm)を評価した結果、溶液法(開発)で回収したCFは標準偏差が小さくばらつきが少なく、高強度域の強度を保持しており、リサイクル材として実用可能な品質を達成した(回収CFのワイブル強度分布、n=50)。
    回収CFのワイブル強度分布図

    図2.回収CFのワイブル強度分布 (n=50)

    回収方法の違いによる強度特性の比較表

    (参考)回収炭素繊維の単繊維引張強度特性(試験長 L=10mm)。溶液法は標準偏差が最も小さく、高強度域の強度を保持。

  3. 今後の進め方(4年目・5年目)
    MVPレベルは達成しており、今後は技術成熟度を高める段階に移行する。静脈側との連携を強化し、製造業者から排出されるCFRP端材を回収して炭素繊維を取り出し、製品化に向けたプロセス開発を進める。あわせて樹脂・素材・材料開発およびリサイクル製品開発を推進し、ブランド・OEM・リサイクラーとの連携により動・静脈連携をさらに加速する。

2026年度の研究開発はこちら