再生材の自動車内外装部品への適用に向けた品質評価及び自動車部品開発
研究開発責任者
内田 均(豊田合成株式会社)
研究開発概要
欧州におけるELV規則案をはじめ、サーキュラーエコノミーを支える仕組みやプラスチック素材のリサイクル技術の実用化の加速が必要とされている。
本研究開発プロジェクトでは、自動車全体で使用されるプラスチック材料の約60%を占めるPP材料を対象に、自動車の内外装部品における製品特性、加工特性、および信頼性を評価し、再生材の含有比率を向上させる材料・製品開発を推進する。最終的には、リサイクル材を適用した自動車部品の開発を通じて、サーキュラーエコノミーの構築を目指す。
進捗・成果
- 24年度の振り返りと25年度の計画
24年度の評価において、再生材含有量が50%までであればJAMA目標値「複合強化PP〔2〕」の材料特性を概ね満足し、内装部品(グラブボックス)の初期性能を満たす可能性が見いだされた。
25年度は、より高いシャルピー衝撃値を持つ「複合強化PP〔1〕」を用い、外装部品である「ロアグリル」を対象に適用可否の検証を実施した。
図1.PP製の自動車内装部品例と評価の対象部品
- ロアグリルの製品評価結果
図2に示す通り、製品性能として求められる「衝突時の耐割れ性」を確認するため、落錘(らくすい)衝撃試験を実施した。特に成形ゲート付近や、各格子が合流するウエルド付近は衝撃性の低下が想定されるため、これらの箇所を重点的に評価した。
図2.落錘衝撃性試験 落錘箇所
表1.製品評価結果(ロアグリル)
評価結果の詳細
- 外観:懸念された塗装後の異物感や違和感はなく、製品性能として十分な品質が得られた。
- 耐衝撃性:要求される最低限の製品性能は満足しているものの、設定した目標値に対しては下回る結果となった。さらなる耐衝撃性能の向上が必要。
- 組付け性:本製品は横幅1.5mを超える大型部品であるため、成形収縮の影響により製品形状がわずかに小さくなる傾向がみられた。
結論と今後の展望
再生材を配合したPPコンパウンドにおいて、JAMAの目標値である「複合強化PP〔1〕および〔2〕」に準ずる材料特性であれば、製品の初期性能を概ね満たし、自動車内外装部品への適用可能性があると判断した。
今後は、大型部品における組付け精度の確保及び、耐衝撃性のさらなる改善に重点を置き、製品評価と検証を継続して進める。

