
地球環境基金便り No.47 (2019年9月発行)
地球環境基金のサポーターとして、継続的にご支援いただいているイーパートナーズ株式会社。同社は、海外では東南アジアを中心に創作和食レストランなど、国内では外国人観光客向けの宿泊施設の運営などを手がけています。今回は、それらの事業で取り入れられている環境軽減負荷の工夫について伺いました。
イーパートナーズ株式会社は、2018年からフィリピンで現地住民の食環境向上を目的に創作和食レストランと卵農場の運営を始めました。レストランで使用する食材は、環境に配慮し、オーガニックのものをできる限り自社で用意しています。同社常務取締役の菅原健一郎さんは、「特に卵にはこだわり、自社が運営する農場で生産しています」と話します。レストラン開業前に現地の食材を調べると、卵の黄身の色が日本のものと比べ極端に薄く、栄養価が低いことがわかりました。食環境の向上を実現するためには、まずは扱う食材から見直そうとなり、卵農場を始めることになったのです。日本の鶏卵の生産方法を現地に持ち込み、鶏の飼育環境から改善することで、栄養価の高い卵の生産を実現させました。今では、レストランで使用するだけでなく、現地のスーパーなどにも出荷し現地住民に広く提供しています。
フィリピンで始めた卵農場は、生産量を増やすため、第2、第3の建設計画も進めている
大阪府梅田にある外国人観光客向け宿泊施設「淡海」
国内の事業でも、環境に配慮した工夫がなされています。例えば、外国人観光客向けの宿泊施設運営では、新しく施設を建てるのではなく、空き事務所をリノベーションすることで無駄な廃材を出さないよう工夫しています。「社員一人ひとりが環境負荷の低減を意識しています。会社からレクチャーしているわけではなく、事業を進めていくなかで環境に配慮した工夫を取り入れるスタンスが当たり前のようになっています。社員個々のバックグラウンドや長所を活かしてどんどんアイディアを出してもらい、会社がそのアイディアをうまく汲み取れるようなシステム作りに力をいれています」と菅原さんは言います。
同社からは、環境保全活動の将来を担う若者の人材育成の大切さに共感いただき、2010年より地球環境基金にご寄付いただいております。菅原さんは「イーパートナーズの事業は、企画・人材を少しずつ育てていきながら成長していくという思いで行っています。環境問題もすぐに解決できるわけではなく、一つ一つの積み重ねが大きな成果につながります。その積み重ねが持続できるように、寄付という形で環境保全に貢献していきたいです」と語ります。
長年、地球環境基金にご寄付いただいている謝意として、感謝状を贈呈させていただきました。職場には地球環境基金の募金箱を設置いただいております