本文へ
未来をつくる、環境教育 No.53 2022年9月発行

地球環境基金便り No.53 (2022年9月発行)

特集 未来をつくる、環境教育。

私たちも「環境教育」活動中 〜NGO・NPOの活動事例から〜

CASE.2 地域とつながった環境教育の「場」をつくる!

桑波田和子さん
特定非営利活動法人 環境パートナーシップちば
活動名SDGs・ESDをひろげるための“ちば”拠点づくり

市民・団体・企業・行政・学校とのパートナーシップのもと、「SDGs」「ESD」の視点でさらなる持続可能な社会の実現を目指しています。活動の柱は、多様な主体とのネットワークの構築、SDGs達成のための人材育成、環境学習の企画・提案、情報発信です。

持続可能な視点をもった担い手が揃ってきたら次は、広げる拠点が必要

つながる仲間が必要なことを確認し合うのが、はじめの一歩

 私たちは、環境保全活動の担い手不足を解消するために、千葉県内で2018年から3年間「SDGsを達成するためのESD地域リーダー担い手育成事業」を実施しました。その成果としてSDGs・ESDの視点をもった46名の地域リーダーが誕生し、それぞれの地域で環境活動を広げようとしています。そんな新たな担い手たちの活動を展開するための場として、多様なニーズに対応するプラットフォームの必要を感じ、地域性の異なる「県北」と「県南」、それらをつなぐ「コア」の3か所に「SDGs・ESDをひろげるための“ちば”拠点」を作っています。
 環境保全活動は地域づくりと密接に関わるものです。しかし、まちづくりや地域おこしを担う事業者と環境活動の担い手たちが連携する場が少なく、まだまだSDGs・ESDの認知度が高くなかったり、SDGs達成を目指す他団体活動を知り共有する場がなかったりします。また、活動団体の高齢化、活動団体と学校、企業、行政など多様な主体の協働が広がらないといった課題もあります。私たちは「場」を作り橋渡しになることが、地域の環境を守り、持続可能な地域づくりにつながると考えています。
 2021年7月に「県南」で「SDGs・ESDフォーラム~みんなでつながる地域拠点を創ろう~」を開催しました。参加者は76名にのぼり、南房総市内外で環境保全、地域づくり、観光、教育、金融、行政などに関わる多彩な顔ぶれが集まりました。南房総の資源を活かし、地域+地域外との交流を広げていくこと、地域に若い力を引きこむことなど、熱い思いと意見が交わされ、その結果、「SDGs・ESDちば南拠点」を作ることが決定。活動が具体化しました。このように展開できたのは、地域の団体、企業、行政、事業に関わってきた人たちが「自分ごと」として地域の課題や取り組みの必要性を実感し、「つながる仲間」が必要だと共有できたからだと思います。
 2022年度は「SDGs・ESDのちば北拠点づくり」を目指し活動しています。キックオフとなった7月開催の公開フォーラムでは、県北部地域で活動している団体や地域を代表するグローバル企業のSDGs活動の紹介やグループワークの意見交換を行い、参加者一人ひとりが多様な主体となってつながる一歩を踏み出しました。

本活動専用のホームページも開設。

公開フォーラムは、会場とオンラインとのハイブリッド開催。

体験がくれる素晴らしさを若い世代にもっと

 小学生から大人まで40名が参加した、屋外ESDプログラム体験会「オケラとトトキ」では、26年にわたり里山の保全に取り組んできた方の思いに耳を傾けながら、みんなで里山を歩きました。小学生でも楽しく学ぶことができ、参加者からは「本物の自然に触れる体験を通して、SDGsやESDへの理解を深めることができた」などの声が届きました。コロナ禍により見送りが続いていた体験会を開催でき、改めてうれしくなりました。地域活動を支えるためには、若い力が必要です。これからも、体験を通して、地域の課題や人の温かさ、熱意などを知る機会を、たくさん作っていきたいと思っています。

里山でのESD体験会。

特集トップへ

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Lineでシェア

地球環境基金の公式SNS

  • 地球環境基金 インスタグラム(別ウィンドウ)
  • 地球環境基金 Twitter(別ウィンドウ)
アドビ公式サイト(新しいウィンドウで開きます) adobe readerダウンロード
PDF形式のファイルはadobe readerが必要です。

地球環境基金 Japan Fund for Global Environment

〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー
独立行政法人環境再生保全機構 地球環境基金部
TEL:044-520-9505 FAX:044-520-2192

独立行政法人環境再生保全機構 ERCA

Copyright, Environmental Restoration and Conservation Agency. All rights Reserved.

ページトップ