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サーキュラーエコノミー No.54 2023年3月発行

地球環境基金便り No.54 (2023年3月発行)

特集テーマ サーキュラーエコノミー

私たちも「サーキュラーエコノミー」活動中 〜NGO・NPOの活動事例から〜

CASE.2 持続可能なフードシステムを目指して

下田屋 毅さん
一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会
活動名FMGの認知度を広げることで飲食店を軸にフードシステムのサステナビリティを推進する(オーガニック野菜、持続可能な水産資源、食品ロスの提言、自然エネルギーの使用を促す)

世界基準の新しい格付けツールで
食のサステナビリティを広げていく

調達・社会・環境の3分野で飲食店のサステナ度をチェック

 今、世界の食料の約3分の1が廃棄されており、食品廃棄物が原因の温室効果ガス排出量は、年間総排出量の推定8%を占めます。私たちは、食の仕組みをサステナブルに変えることによって地球環境の改善に貢献できると考え、2018年から、SRA(サステイナブル・レストラン協会)英国本部と連携し、日本における飲食店のサステナビリティ向上のための活動を続けています。
 活動の核となっているのは、食の新しい世界基準「FOOD MADE GOOD」です。「調達・社会・環境」の3つを柱に、飲食店におけるサステナビリティを推進するためのフレームワークで、3分野・計250の質問と自店の取り組みを照らし合わせることで、店をサステナビリティの観点からレーティング(格付け)できたり、レストラン運営をよりサステナブルに改善する手がかりを得られたりします。
 例えば、「環境」では食品ロス削減、エネルギー効率の向上(再エネ・自然エネルギー使用)、使い捨てプラスチック製品の不使用、「調達」では地産地消によるカーボンフットプリントの削減、旬の食材の使用、サステナブルシーフード、「社会」では従業員の労働環境、地域社会への貢献、健康的な食事といった、幅広い視点が含まれています。
 年に1度、レーティングに参加した飲食店を表彰する「FMGアワード」も実施しています。大賞、各部門賞(調達・社会・環境)に加え、2022年からはサーキュラーエコノミー賞が加わりました。初のサーキュラーエコノミー賞を受賞したのは、複数の加盟店で紙パックリサイクルを実践しながら、お客様への啓発活動にも熱心に取り組んだレストランです。市の環境局や商工会、市長をも巻き込んで活動を広げていった実行力と発信力が評価されました。まずは、食に携わる人たちが「なぜサステナビリティの推進をしなければならないのか」を、それぞれが納得して実践していくことが大切だと感じています。
 このほか、世界中のシェフたちが地球環境に配慮したレシピを紹介する「ワン・プラネット・プレート」キャンペーンなども促進しています。

「FOOD MADE GOOD Japan Awards 2022」授賞式。アワードは成功事例やアイデアなどを共有する貴重な場。

星ナシから3つ星まである
FMGレーティング。

お店とお客様が変わればフードシステム全体が変わる

 FMGのレーティングによって、サステナビリティに取り組む飲食店が評価される仕組みが広まれば、サステナビリティ視点で店や食を選択する人が増えます。それが生産から廃棄に至る、フードシステム全体を持続可能なものに変える力になると信じています。
 多くの飲食店とつながりながら、FMGの認知度を上げ、このムーブメントを日本全国に広めていきます。

地産地消や食品ロス削減を進めるために生産者とも連携。

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