地球環境基金便り No.55 (2023年9月発行)
井上咲楽SAKURA INOUE
1999年10月2日栃木県生まれ。
2015年、第40回ホリプロスカウトキャラバンで特別賞を受賞し、デビュー。
現在は多数のバラエティに出演するほか、『新婚さんいらっしゃい!』のMCも務める。
デビューした頃、テレビのSDGs特集で私の実家を撮影しに来ていただく機会が多くありました。でも、両親にとって山の中の生活も、いろんなものを手づくりするのも、自分たちが好きでやっていることなので、取材されて初めて「これがSDGsなんだ」って感じで。私も子どもの頃から、かさばるものは小さくたたむ、牛乳パックはリサイクルに出すなど、ごみの出し方について細かく教えてもらいましたが、それも環境のためというより、山の下にあるごみステーションに楽に持っていくためで。ごみ袋だってタダじゃないからなるべくごみを出さないようにと。私の、ごみを出さない、ものを大事にする習慣は、じつはそんな背景からでした(笑)。
最近ではお仕事で各地の環境活動の現場に伺う機会も増え、改めていろいろと考えさせられています。環境保全はもちろん大切ですが、義務になりすぎるのは違うんじゃないかと思っていて。例えば、いくらエコバッグを持つのが当たり前になっていても、時にはレジ袋をもらわなきゃいけない場合もありますよね。それが、レジ袋をもらうことは良くないことと言われるようになっちゃうとすごく生きづらいですし、そういう風潮によって「環境活動=意識の高い人がやるもの」になってしまうのは、逆にすごくもったいない気がするんです。そうじゃなくて、みんながもっと気軽にできたり、ちゃんと持続できるものであったりしたほうがいいかなって。
先日参加したごみ拾いイベントの「スポギョミ!」は、そういう意味でゲーム感覚なところがいいなと思いました。ごみ拾いというとネガティブな気持ちになりがちですが、「スポギョミ!」のようにチームでポイントを競い合うみたいな仕組みにすると、楽しく、ポジティブな気持ちで参加できます。それで本当に海岸がきれいになったりすると気持ちがいいし、実際にごみを拾う経験をすることで、楽しさの中にも少なからず気づくことや感じることがあります。そうやって楽しみながら学べる環境活動っていうのが、ポップな感じでいいのになって思います!
SNS時代の今は何でもスマホで見られちゃうけど、やっぱり直接見ることはすごく大事だと思います。海岸に溜まるごみを実際に見たら、自分が何気なく捨てたごみがここに辿り着くかもしれないと思って、捨てるのを止めるきっかけになるんじゃないかなって。ポイ捨てしちゃう理由って、そのあとどうなるかを想像できないからだと思うんですよね。私自身、いろいろな環境活動の現場を見てからは、ものを買うときに「自分は本当にこれが欲しいのか」とか「長く使えるものかどうか」など、今まで以上に考えるようになりました。
友達と「着なくなった洋服どうしてる?」みたいな話になると、古着屋さんに持って行く子もいれば、「〇〇の回収BOXに入れると500円分のチケットもらえるよ」と教えてくれる子もいたりして。環境のためというより「あれいいよね!」って感じではありますが、普通にリサイクルの話とかしています。
いろいろあります。生ごみは水気を切ってから捨てる、水を飲んだコップとかあまり汚れていないときは洗剤は使わない、包装が過剰なものは捨てるのが大変だから買わない、などは意識しています。あと、私はなかなか物を捨てられないんです。妹が3人いるせいか、自分が使わなくても残しておけば誰かが使うのが当たり前だったので。一人暮らしの今は、フリマアプリを使って欲しい人に譲っています。
家は山の上でしたし、中学生になる頃まで益子町以外のことをまったく知らなかったんです。当時から眉毛は太かったけれど、益子にいないだけで東京にはそういう人いっぱいいるだろうなと思っていて。ある意味、閉ざされた世界で生きていたからこそ、周りと比べることもなく、自分の個性が形成されたと思うので、今思えばその環境がよかったなと。
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