地球環境基金便り No.58(2026年1月発行)
9つの集落、人口約300人の那智勝浦町色川地区の脱炭素を目指し、小規模な水力発電や太陽光発電の普及を目指している「南紀自然エネルギー」。事業化に向けた「小水力発電」のほか、住民主体の超小規模な「DIY小水力」「ニワソーラー」にも挑戦しています。
町の「地域循環共生圏」構想を機に住民有志が集まり、地区の脱炭素に向け活動をしています。色川地区は山間にあり水量豊富な沢が幾筋もあることから、当初より住民の関心が高かったのが「小水力発電」です。「自然エネルギー学校」という名のもと勉強会を開催し、担い手づくりを行ってきました。近隣の新宮市、古座川町、すさみ町でも「自然エネルギー学校」を展開してきました。
同時に、事業化を模索しています。色川地区内では、ダム設備の健全度の問題、水利組合との調整などで足踏み状態となっていますが、近隣の2つの町では事業化への検討が続いています。
そうしたなか、並行して実施・検証を進めているのが「DIY小水力」です。汎用品で安価に手づくりし、1キロワット程度のごく小規模発電を行うモデルです。目標としていた建設コスト100万円/キロワットはクリアしました。安定稼働ができれば、他地域でも普及可能な住民主体の超小水力発電モデルとして展開できると考えています。
DIY小水力の発電実験。
太陽光においても超小規模発電モデルとして「ニワソーラー・プロジェクト」が進行中です。屋根ではなく庭先などにパネルを1〜4枚設置。パネルなどをレンタルすることで、初期費用ゼロで電力自給生活を始められる仕組みをつくりました。設置した14軒では、太陽光発電電力の自家消費によって購入電力量が2割以上削減できたお宅もありました。住民が日々の電力使用状況を意識するようになる行動変容や、色川中学校での特別授業開催にもつながっています。
庭先にパネルを設置する超小規模太陽光発電「ニワソーラー」。
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