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地域脱炭素 No.58 2025年12月発行

地球環境基金便り No.58(2026年1月発行)

若手特集

未来の環境を守るために
豊島の産廃不法投棄問題を伝えていく

塩川ゆうりさんの写真
NPO法人
瀬戸内オリーブ基金
塩川 ゆうりさん

 瀬戸内オリーブ基金は、香川県の豊島(てしま)という人口700人ほどの離島に事務所を置く団体です。1980年代に豊島で日本最大規模の産業廃棄物の不法投棄事件「豊島事件」が発生しました。豊島事件の公害調停が成立した2000年に、豊島のような環境破壊・人権侵害問題を二度と発生させないために、全国から集められた寄付金で設立されました。
 現在は、豊島事件から学ぶ環境学習、島本来の植生を回復するための活動、海の豊かさを守るための活動、瀬戸内海エリアで活動する自然保護団体への助成金の提供など、瀬戸内海エリアの自然を保全し、再生する事業を行っています。

 私はもともと、自然の中で過ごすのが好きで、2022年11月に瀬戸内オリーブ基金に入職、豊島に移住しました。環境学習イベントの企画運営や、助成対象事業の「豊島事件語り継ぎ事業」のプロジェクト管理などを担当。今年度は、豊島での環境学習活動に注力しています。滋賀県の私立校の中学1年生を対象とした環境学習イベントや、香川県の小学生を対象とした豊島事件を学ぶ夏合宿を実施しました。今後は「豊島から始まる学び」というテーマの環境学習ツアーも考えています。

 実際に豊島に来て学んでもらうことで、子どもたちや企業の若い世代の人たちに「来る前と考え方が変わった」と言ってもらえることが、やりがいにつながっています。子どもとの関わりを通じて新鮮な学びも多く、楽しいです。
 豊島の産業廃棄物の問題を若い世代、特に子どもたちに伝えていくことによって、環境保全の意識を育んでいきたいと考えています。環境学習を通じた意識の醸成や行動変容が、持続可能な社会の実現に寄与すると強く思っています。


小さな声も、やがて大きく広がる!
ユースの声が政策に反映される社会へ

嶋田さんの写真
Japan Youth Platform for Sustainability
(JYPS)
嶋田 恭子さん

 JYPSは、持続可能な社会の実現に向けて、⽇本のユースの声を政策に反映させることを⽬的とした、ユースによるプラットフォームです。国際会議への派遣や政策提⾔、学びの場づくりを通じて、ユースの声を社会に届け、⾏動へとつなげています。取り扱う分野は、気候変動、⽣物多様性、ジェンダー、教育など幅広いです。

 私は⾼校3年時にJYPSへ参加し、現在⼤学2年生です。政策提⾔部に所属し、主に環境・気候変動・⽣物多様性分野の政策アドボカシーに関わっています。本年10月にアブダビで開催されるIUCN世界⾃然保護会議2025(WCC)に参加予定で、ユースの声を政策にぶつけるための提⾔や意⾒交換の準備を進めており、⽇々ワクワクしています。
 アドボカシー活動の意義は「声を持たない/届きにくい⽴場の⼈々や世代の声を、社会や政策の意思決定の場に届けること」です。特に若者は未来の影響を最も受ける当事者であるものの、まだ意思決定の場に⼗分には関われません。だからこそ、声を上げ、建設的な提⾔を届けることで、社会の仕組みをより包摂的に変えていく⼒になります。⼩さな声でも、声を上げられていない⼈の共感を呼び、やがて⼤きく広がり、政策や制度に影響を与える可能性が⼤いにあります。
 近年では、⽇本でもユース参画が着実に進み、政策提⾔や国際会議に若者が参加する機会は増えました。しかし、機会はあれど、実際に政策へ反映される仕組みが⼗分に整備されていないことが⼤きな課題だと感じています。
 ⽇本のユースは、気候変動や⽣物多様性への危機感が強く、関⼼も⾮常に⾼いです。その背景には、災害の頻発や異常気象、そしてSNSを通じたグローバルな情報共有によって「⾃分たちの未来が左右される」という実感を持つようになったことが挙げられます。私も⼤学でライフサイエンスを専攻しています。今後も⽣物多様性や気候変動、⾃然資本に関する科学的知⾒をわかりやすく共有し、政策や市⺠の⾏動に役⽴てる活動へ注力し続けていきたいと思っています。

塩川ゆうりさんの写真

 近い将来、政策にユースの声が「あたりまえ」に反映される社会になってほしい。そして、誰もが「未来を⼀緒に作る仲間」として協⼒し、課題解決が重荷ではなく、ワクワクする挑戦として熱量をもって楽しく進められる社会にしていきたいです。

高校生たちもアクション!

「環境ユースインターンシップ」 in 北海道

「第10回全国ユース環境活動発表大会(地方大会)」で「10周年記念賞」を受賞した7校の高校生がインターンシップに参加しました。地域の持続可能性に役立つ環境保全活動の現場を視察することを目的に、「第一回ジャパンSDGsアワード」を受賞した北海道下川町の取り組みや、北海道在来種と外来種の関係をテーマに旭山動物園を見学しました。また、環境学習交流会として、学校を混ぜたグループセッションを行い、環境問題に対する自分自身の想いや立場の違いを尊重しながら、多角的な視点で対話が行われました。

「林業で町の経済を回せることに半信半疑でしたが、行って納得。地域の人たちの連携のすごさ、人と人との関わりの大切さを知りました。」「学習交流会で初対面の人と話すのは緊張したけれど、よい経験ができた。」「広島とは違う北海道の土地の広さも感じることができた!」「下川町の森林資源を余すことなく使う取り組みは、自分の研究と共通点があって参考になった。」「北海道、広島、それぞれの原因で絶滅危惧種の個体数が減っていることを知りました。」「動物園の見学を通して、地元の獣害問題にも目を向けるきっかけになった。」「「町民全員が変えたいと思えば、まちは変われる」ということを学んだ。」「ワークショップを通じて新しい友達ができた。」「地域の特性を活かすことが町おこしにつながる!」

「ジュニアSDGsキャンプ」 in 大阪・関西万博2025

子どもたちがSDGsや環境問題について自ら主体的に考え国際交流や行動・態度変容につながる体験型プログラム「ジュニアSDGsキャンプ」が大阪・関西万博2025で行われました。このプログラムに2024年度「第10回全国ユース環境活動発表大会(全国大会)」で環境大臣賞、環境再生保全機構理事長賞、国連大学サステイナビリティ高等研究所所長賞を受賞した、徳島県立小松島西高校[TOKUSHIMA雪花菜工房×藻藍部]、宮城県農業高校[Re:温故知新]、北海道岩見沢農業高校[自然エネルギー班]の生徒が参加、それぞれの環境活動について世界に向けて発信しました。また、当日は活動発表だけでなく、地域の大学生と持続可能な社会についてのディスカッションを行い、SDGsや環境問題について主体的に考える機会となりました。

ジュニアSDGsキャンプ参加者の学生の皆さん

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