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ベストプラクティス ベストプラクティス

ベストプラクティス事業
相手に寄り添った提案から始まる、持続可能なエネルギーの創出
[ 一般社団法人 徳島地域エネルギー ]

  • 活動名熱利用転換で環境を守り未来につなぐ 木質バイオマス地域アライアンス
  • 助成メニュー2016〜2021年度 フロントランナー助成
  • 活動分野総合環境保全活動
  • 助成金額(千円)(’16)6,000 (’17)6,000 (’18)6,000 (’19)6,171 (’20)3,437 (’21)3,163
    ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年度の活動を2021年度まで延長しました。
  • 住所〒771-4102 徳島県名東郡佐那河内村上字仁井田100番地の2
  • TEL050-2024-5033
  • E-mailinfo@tene.jp
  • URLhttps://www.tene.jp/

地域アライアンスの形成で、地産地消の
エネルギー「木質バイオマス」を全国に広げる

活動について

地球環境問題と地域活性化に貢献する、木質バイオマスの普及

熱エネルギーの低炭素化やCO2排出量削減等、地球温暖化防止への効果が期待される木質バイオマス。木材のチップ(ウッドチップ)を燃料に熱エネルギーを生み出し、給湯や暖房器具等、様々な設備に活用する仕組みです。徳島地域エネルギーは、全国の各地域でチップの製造から熱利用まで燃料の持続的供給体制を確立するため、概ね50㎞圏内の地域の人や企業を対象とした「地域アライアンス(同盟)」の結成支援と人材育成事業・ボイラーの導入・普及活動を行っています。
 まず、日本全国の地域から寄せられる「里山が荒れている」「燃料の高騰に対応できない」等のお問い合わせに対し、木質バイオマスを活用した解決策を提案しています。「木質バイオマスは、環境問題・地域課題を解決するだけでなく、設備の導入に伴い新たな雇用創出や地域活性化を促進する一石二鳥のエネルギーです。」(代表理事 豊岡和美さん)
 また、各地域アライアンスで熱利用を自立的に運用していく人材を育成するため、人材育成・研修事業を行ったり、ボイラー等の設備の導入・転換診断を実施し、具体的な導入計画の作成を支援しました。
 「徳島でできるなら日本のどこでもできる!そんな気持ちでアライアンスに取り組んでいきました。私たちの活動は徳島から全国に広がっています」(豊岡さん)

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木質バイオマス熱利用をするためのボイラー
(山梨県のゴルフ場へ導入)

2活動の主な成果

地域に合わせた課題解決と人材育成で、地域アライアンスを6年間で全国17地域に形成

日本の各地域には、エネルギー問題、里山の環境保全、災害からの復興、地域の振興など、解決を迫られている様々な地域課題があります。こうした地域によって異なる課題に木質バイオマスがどのように貢献できるのか?各地域の課題解決のための道筋を示し、そのための情報提供やコンサルティングを行うことで、木質バイオマス地域アライアンスは各地から注目され、拡大していきました。2016年度からの6年間で木質バイオマスの地域アライアンスは全国17地域に形成され、さらに助成終了後7地域で形成されています。
 「一つの地域で木質バイオマスが成功すると、それを知った他の地域の自治体や企業、NPOなどから問い合わせや相談がきます。相手に寄り添ってそれに答えていくことで、地域アライアンスは広がっていきました。」(豊岡さん)
 人材育成・研修事業では、木質バイオマスに関する基礎研修、ボイラーの設置管理技術、木質バイオマス熱機器の導入診断、原料となるウッドチップの製造技術など、木質バイオマス熱利用を自立的・持続的に運用していけるような研修を実施し、6年間で428名の方に参加していただきました。また助成金を活用して全国の118施設に出張し、無料で導入・転換診断を行うことができ、地域アライアンス拡大の原動力となりました。
 「日本における木質バイオマスは、関係者が全員素人。その普及は道のない道でした。この難しい課題に力を合わせて取り組んだ地域アライアンスのメンバーは、みんながパートナーです。」 (豊岡さん)

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間伐材をチップ化する作業の研修
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ボイラー実機研修
活動のポイント
獲得目標を大きくとること、相手に合わせた提案をすること

活動を全国に広げ、成功させるポイントは、まず獲得目標を大きくとることです。自分たちの活動で何を実現したいのか、なるべく大きな目標を設定し、それに向かって活動すれば、広がりや成果も大きくできるのではないでしょうか。もう一つは、地域の実情やニーズをしっかり聞き取り、あらゆる角度から相手に合わせた提案をしていくことです。地域によって木質バイオマスを始めたい理由は異なりますし、実際に導入したいと思ってもらえないと始まりません。こちらの提案が相手の課題を解決できることに納得してもらえれば、話も広がっていくし、成果が一人歩きを始めると思います(豊岡さん)

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3助成終了後の活動

2023年、神戸バイオマスラボが開業
地域を豊かにする、エネルギーの地産地消を広げたい

人を育て、各地域の課題解決に貢献しながら、今も拡大を続ける地域アライアンス。その最新の事業が、2023年6月、兵庫県で始まっています。神戸市北区有野町で開業した、神戸バイオマスラボです。「兵庫県には地域循環共生圏を推進する計画があり、そのオブザーバーとして呼ばれたのをきっかけに、県有林から燃料であるウッドチップを作る事業を始めました。それに伴い、このラボを開業しました。」(豊岡さん)
 神戸バイオマスラボには、近隣の宝塚市にある広葉樹林伐採場からウッドチップが運びこまれ、チップの含水率による燃焼試験や、CO2測定などが行われています。チップを燃料とした熱は、給湯や床暖房、パネル暖房などに使われ、訪れた人は木質バイオマス熱利用の一連の工程を体験し、学ぶことができます。神戸バイオマスラボを活用し、これまでよりも多く研修が開かれるようになりました。
 木質バイオマス地域アライアンス。この活動は、今後どのように発展していくのでしょうか?「地域アライアンスが結成され各地域がそれぞれの課題を解決し、自立・発展していってほしい。私たちは今後もそのお手伝いを続けていきたいです。」(常務理事 羽里信和さん)
 「日本には資源がないと言われますが、実は森林や里山といった豊かな資源があります。木質バイオマスを使ってこうした地域の資源を有効活用し、エネルギーの地産地消を広げていきたい。里山を宝の山に変えることが、私たちの目標です。木質バイオマスからエネルギーを作り、仕事を作り、地域を豊かにし、カーボンニュートラルに貢献していきます。」(豊岡さん)
 徳島地域エネルギーは、エネルギーで地域の、そして日本の未来をひらいていきます。

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神戸バイオマスラボ
地球環境基金から
エネルギー分野における新しい地域モデルを全国に広げることができたのは、地域が抱える課題や実情をしっかり理解し、知見や経験を活かした的確なアドバイス・アプローチを行ってきたからだと思います。今後も地域課題とエネルギー問題を同時解決していく地域アライアンスが全国で生まれていくことに期待が高まります。

地球環境基金 Japan Fund for Global Environment

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独立行政法人環境再生保全機構 地球環境基金部
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