
旅行先では、環境の変化や緊張などからぜん息発作が起こりやすくなることもあります。また、長期の留学や移住に際しては、これまでの治療を継続するための準備なども必要になります。
ふだん使っている長期管理薬、発作治療薬は必ず持参します。旅行の日数分の薬がない場合は、事前に医療機関を受診し、処方してもらいましょう。
旅行中も長期管理薬は必ず継続し、気道の炎症を抑えて発作を起こしにくくすることが重要です。
発作が起きたときに手元にないと困るため、ぜん息の薬は手荷物として機内に持ち込むことができます。とくに診断書、証明書の提示などは義務付けられていませんが、海外へ行く場合には税関でチェックされることもあるため、病名と薬剤名を英語で記載したものを医師に準備してもらいましょう。各製薬会社のホームページからも、くすりのしおりの英語版や英文の説明書を入手することができます。
喘息の薬やボンベは、医薬品扱いになりますので機内で使用する分量に限り、持ち込みが可能です。
また機内で服用する分量以外のものについては、預け入れのお荷物へお入れください。
(注)なお、機内へ持ち込まれる場合は保安検査の際に、病院から発行されたお客様の病状を証明する書類等をご提示いただけますと、よりスムーズに検査をお受けいただけます。
飛行機内は乾燥しているため、せきが出やすくなることもあります。こまめに水分をとるようにしましょう。
旅行先での天候や環境の変化、宿泊先のダニやカビ、温泉の硫黄などがぜん息発作の原因になります。旅行前、旅行中も長期管理薬を継続することが重要ですが、念のために旅行先の医療機関を調べておきましょう。宿泊先を予約する際にぜん息であることを伝え、寝具などについて相談しておくこともおすすめです。海外への旅行の場合は、いざというときのために、医師から病状などを記載した英文の紹介状をもらっておくと安心です。
発作が起きたときには、持参している発作治療薬を使いますが、病状が改善しないときは、ためらわずに周囲に助けを求めましょう。
同行者やホームステイ先、宿泊先にぜん息であることを伝えておき、大きな発作が起きたら救急車を呼んでほしいなど、どう協力してほしいのか相談しておくと安心です。