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地球環境基金便り No.48 (2020年3月発行)

特集LOVE BLUE
~美しい水辺を次世代に~

NGO・NPOの活動事例から
一般社団法人 ふくおかFUN

「ダイバーだけが知る水中世界」を
「誰にでも身近な水中世界」へ

写真1

「“ひろい”海の活動」の様子。子どもたちから「福岡ってこんな海だったんだ!」「福岡の海、すっげー!」「めっちゃ生き物おるやん!」といった興奮した声があがる

当団体は、スキューバダイビングのインストラクターが、もっと多くの人に地元の海を知ってもらうために設立した団体です。主たる活動の場は「博多湾」です。よく「福岡の海に生き物がいるの?」「にごって汚いでしょう?」などと言われますが、実は博多湾は多種多様な生き物がいる豊かな海です。一方で、都市部が近いため河川を通じて生活ごみが流入しやすく、富栄養化(赤潮)や貧酸素水塊の発生といった問題があるのも事実です。私たちは地元の皆さんに、身近な博多湾の「豊かさ」と「課題」の両方を知ってもらうことで意識や行動の変化を促し、この海を次世代に継承していきたいと考えています。

まず水中を見てから清掃活動をするイベント

写真2

代表理事の大神 弘太朗さん

私たちが力を入れているのが、リアルな福岡の海を体感する市民参加型イベントです。なかでも団体設立当初から継続しているのが「“ひろい”海の活動」と題した水中スノーケリング体験&クリーンアップ活動で、小学生を対象に毎年夏に開催しています。イベントでは、まずプロのスキューバダイバーの指導・安全管理のもとでスノーケルを体験。水中の様子や生物を観察した後に、海岸で清掃活動をします。実際の海の中を見た後のため、子どもたちはみんな「こういうごみが、今見た魚に悪い影響を与えるのかな」と考えながら熱心にごみを拾ってくれます。2019年度は同イベントを4回開催。終了後のアンケートでは「活動前と比較して、生き物や環境を大切にしようという意識が高まった」という回答が全体の85%を占めるなど、手ごたえを感じています。

調査の成果は積極的に市民に広報する

海の水中モニタリング調査も当団体の主たる活動です。ダイバー数人で、博多湾とその近海の水中環境および生物の変化を観測・撮影。季節ごとに見られる生物が違うため、継続して調査することで変化を追うことができます。またどのような水中環境が生物の生まれ育つ環境として適しているかを調べるため、海中で水や砂泥を採取し、福岡市保健環境研究所と連携して科学的な分析もしています。

調査の成果はWEBに公開するほか、自主開催の写真・映像展、行政や他団体主催の環境イベントへの出展、公共施設や地元水族館での展示などで積極的に広報しています。19年度は福岡県内だけで15回開催しました。また学校の授業や講演、企業CSRなどで水中写真や映像を活用してもらうことも増えてきました。

写真3

「写真・映像展」でも、まずは福岡の豊かな海を知ってもらうことを大切にしている

当団体を設立して6年。地元の新聞やテレビで取り上げていただくこともあり、少しずつ私たちの活動を地域の皆さんに知ってもらえるようになっています。今後は福岡市だけにとどまらず日本全国で活躍する環境団体と連携して、よい水辺の環境や社会づくりに貢献していきたいです。

一般社団法人 ふくおかFUN

活動名
福岡の海における生物多様性および水中環境保全のための活動
団体所在
福岡県福岡市
URL
http://fun-fukuoka.or.jp/
SDGsの目標
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

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