
地球環境基金便り No.51 (2021年9月発行)
今回のキャンペーンの他にも、フレーベル館では環境保全につながるさまざまな取り組みを行っています。その取り組みについて広報チームリーダーの安藤恵理子さんに伺いました。
「キンダープラッツ」は、絵本の森をイメージした室内空間で、親子一緒に遊びを楽しめる
「まず、物流においては、本の配送などで排出されるCO2を削減するために、同業他社と協力し、物流を一本化して効率化を図ることで削減の効果を上げる『共同配送』を、一部の商品群で始めています。また、出版事業においては、資源である紙の使用をいかに削減するかが課題です。その対策の一つとして、書籍の電子化を進めています。さらに本だけでなく、教材や遊具の開発に関しても、環境に配慮した素材の使用を進めています。新たな取り組みとしては、首都圏に展開している子どもの室内遊び場(キンダープラッツ)があります。これは地域の子育て支援の場として利用していただくことを想定していて、SDGsの目標の一つ『住み続けられるまちづくりを』につながる取り組みとして進めています」
書籍の電子化について中野さんは、「当社は環境保全の観点から、作家さんと相談しながら積極的に取り組んでいます。これまでに絵本を含め300点以上の書籍を電子化し、また可能な限り新刊発行と同時に電子化を検討しています。電子書籍は保育や教育の場面でも利用されていて、先生とクラスの生徒全員が同時に読めるeラーニングも始まっています。書籍の中には電子版の方が需要のあるコンテンツもあり、コロナ禍を機会にウェブや電子書籍を使った新たな事業を展開していきます」と話します。
お話を伺った方:株式会社フレーベル館 取締役 メディア事業部長 中野正之さん
コロナ禍という厳しい状況ではありますが、子どもの未来を守る活動に積極的に取り組みたいと、中野さんは言います。「子どもたちによりよい地球環境を残し、持続可能な世界を実現するために、SDGsの推進に取り組むことは喫緊の課題です。そしてSDGsの達成に向けては、世界中の人たちが協力して持続的に行動することが大切です。今、出版業界においても地球環境保全への機運が高まってきており、業界全体で手を取り合って一緒に取り組んでいくために、率先して声がけをしていきたいと思います」