
地球環境基金便り No.57(2024年12月発行)
「2025年 大阪・関西万博」を通じて、未来社会につながる、ごみ問題への考え方を広げようとしているのが「大阪ごみ減量推進会議」です。
「ゼロ・ウェイスト」という言葉を聞いたことはありますか?「無駄・浪費・ごみ」をなくすという意味で、廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを出さないようにしようという考え方です。
私たちの地元である大阪で、2025年4月13日から10月13日まで、184日間2025年日本国際博覧会(略称、「大阪・関西万博」)が開催されます。会場運営に伴って発生する廃棄物量の推計は、アルミ缶、スチール缶、びん、業務用缶、ペットボトル、プラスチック類、段ボール、紙類、生ごみ、廃食用油を合わせて計5314.29トン。これらについては100%リサイクルを目指すとしていますが、可燃物・不燃物を合わせた計4394.22トンについては、焼却または埋め立てされることになり、リサイクル率は55%にとどまっています。これではとてもゼロ・ウェイストに近づいているとは言えません。しかも、この数字には建設・解体工事に伴って発生する廃棄物も含まれていません……。
私たちは万博期間中に「ごみウォッチング」を予定しています。会場でのごみの組成調査の結果、混入の多かった異物が、どのような理由でどのような人たちによってもたらされるのかを解明し、博覧会協会への改善提案につなげる予定です。また、万博終了後に、きちんと評価・総括できるように必要な情報を収集していきます。そのための、あらゆる情報の公開を博覧会協会に要請していきます。
ごみ問題で最も大切なのは、最初からごみになるようなものを発生させない社会の仕組みづくりです。ごみにしかならないものは最初から原料として使わない、複合素材は使用しない、できるだけ余分な包装はしない。これらを製造・販売の段階で徹底することが必要です。万博という国際的イベントを通じて、この「ゼロ・ウェイスト」の考えを広く伝えていきたいと思います。
「イベントでのごみゼロ」について意見を交わす、ごみ減量連続セミナー。
万博に先んじて、天王寺区民祭りにて、堆肥化・炭化可能な食器「エディッシュ」の使用実験を行いました。