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地球環境基金便り No.52 (2022年3月発行)

特集再生可能エネルギーの現在と未来
~脱炭素社会の実現に向けて~

NGO・NPOの活動事例から
任意団体 やまがた自然エネルギーネットワーク

再生可能エネルギーをつくる人、使う人の輪を広げ
山形から安全で持続可能な日本をつくりたい

当団体設立のきっかけは、3・11、東日本大震災です。原発事故を目の当たりにした多くの人が「私たちの電気はどうなっている?」「もっと安全な電気はないの?」といった疑問や問題意識をもち始めました。当時は少しずつSNSが浸透してきたころで、山形県内でエネルギー問題に関心をもった人たちがSNSで自然発生的につながり、再生可能エネルギー(再エネ)の勉強会などを開催するようになったのが「やまがた自然エネルギーネットワーク」の始まりです。

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代表 三浦秀一さん

私自身は大学で住宅の省エネや自然エネルギーの研究をしていますが、当団体のメンバーは専門家ばかりではありません。農家や会社員、自治体職員など専門でない人もいますが、みんな今の日本のエネルギーのあり方に問題意識をもち、少しずつでも再エネを増やしたいという思いを共有しています。自然に囲まれた山形県は、再エネの宝庫です。原発にも石油にも頼らない、再エネによる安全で持続可能な日本を山形からつくるために、私たちは活動しています。

地域に即した再エネを学べるやまがた自然エネルギー学校

当団体は太陽光、風力、水力、木質バイオマスなどあらゆるものを選択肢として、山形という地域にあった再エネの導入を検討しています。ただメガソーラーや大規模水力発電、風力発電などは個人や地域で導入するのが難しく、具体的に導入を検討するとなると、必然的に太陽光と木質バイオマスが多くなります。

地球温暖化など環境問題への意識の高まりとともに再エネに関心をもつ人も増えていますが、残念なことに自分たちに何ができるのか、どんな技術が必要なのかを専門的に学べる場は決して多くありません。そこで私たちは、多くの人が再エネを学ぶ場として「やまがた自然エネルギー学校」をスタートさせました。山形県の内外で活躍する第一線の人材を講師に招き、地域に即した再エネの利用方法を学び、具体的な導入方策を参加者とともに考える学校です。当団体の会員に限らず誰でも参加可能。テーマも特に制限はなく、再エネに関することで、そのとき旬のテーマやメンバーが関心をもっているテーマを取り上げています。

例えば今年1月には、企業の再エネをテーマに「山形から展開するRE100企業」と題したシンポジウムをオンラインで開催しました。最近山形県内でも自社で使う電気を100%再エネにする目標を掲げる「RE100企業」や、温室効果ガス排出ゼロを宣言する企業が増えてきました。そのなかの一社が花王株式会社で、酒田市の工場で自家消費型太陽光発電と非化石電源由来電気の調達により、使用電力の100%再エネ化を達成しています。シンポジウムではその花王の担当者をゲストに招いてお話を伺い、参加者から好評を博しました。

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写真3

やまがた自然エネルギー学校の様子。以前は実際に集まって開催していたが、現在はオンラインで開催

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