SIPの研究開発概要
SIP課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」では、これまで様々な製品を大量生産・大量消費・大量廃棄して利益を生み出してきた一方通行型の線形経済(リニアエコノミー)から、持続可能な形で資源を利用しつつ、経済合理性をも同時に満足する循環経済(サーキュラーエコノミー)への転換を目指し、そのモデルケースとして「プラスチック」の資源循環を加速する技術開発・研究開発に取り組みます。
プラスチックにおけるサーキュラーエコノミーシステムを構築するための取り組みとして、素材、製品、流通、回収、分別、リサイクルの各段階のプレイヤーが、デジタル基盤を介した効率的な連携(動静脈・静動脈連携)を実現すると同時に、それらを加速させるためのイノベーティブな技術開発や環境構築を行います。
サブ課題A 循環市場の可視化・ビジネス拡大を支えるデジタル化・共通化
研究開発プロジェクト
- A1-01
- 循環市場拡大に資するプラスチック情報流通プラットフォームの研究開発
- A2-01
- プラスチック情報流通プラットフォームの要件定義・ルール形成
- A2-02
- 再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証
- A2-03
- プラスチックの適切な資源循環システム構築に向けた消費者等の行動変容に係る実践的研究
- A3-01
- バイオマス資源利用の自然資本への影響評価手法の開発
- A3-02
- 低環境負荷プラスチック資源循環システム構築のための環境影響評価手法の開発
サブ課題B 資源循環の拡大を促す動静脈・動静脈連携
高品質なプラスチック再生材を低コストかつ安定的に供給するため、使用済プラスチックや、自治体との協力により回収したプラスチックを効率的に分別・供給するシステムを開発します。また、現時点では再資源化が困難であるものの、潜在的な再資源化ポテンシャルの高い繊維、衣類、建築資材由来のプラスチック再生材を、効率的に供給する動静脈・静動脈連携モデルを構築します。
研究開発プロジェクト
- B1-01
- サーキュラーエコノミーに向けた動静脈連携による建廃プラリサイクルプロセスの開発
- B1-02
- 古紙・衣類の解繊繊維を活用したバイオ・再生プラスチック開発
- B1-03
- データ駆動型高度選別システムの構築
- B1-04
- 高品位再生プラスチック材料の製造プロセス開発
- B2-01
- 自治体協力回収プラスチックの分別・供給システムの確立
サブ課題C 循環性向上と可視化のためのプラットフォーム整備
日本の最先端技術の活用により、循環性の向上・可視化のための環境試験・診断・高性能トレーサーの開発を行うプラットフォームを構築し、世界に先駆けたアップサイクルを可能にします。また、国内外のプラスチック再生材の物性データ等を収集・分析して、再生材データバンクを構築するとともに、産学官が連携して、再⽣材の保証・認定に繋がるデータの仕様、利活用法等について検討します。さらに、ELV規則案による自動車への再生材利用率の数量目標への対応として、自動車に適用可能な高品質な再生材と、それを活用した自動車再生材部品の開発等に取り組みます。
研究開発プロジェクト
- C1-01
- 環境試験・診断・トレーサー技術の確立と産業応用のためのデジタル解析基盤の構築
- C1-02
- 再生プラスチックの循環性向上のための品質分析データバンク構築
- C1-03
- 再生材の自動車内外装部品への適用に向けた品質評価及び自動車部品開発
- C1-04
- 再生材の自動車部品への適用に向けた品質評価及び自動車部品開発
- C1-05
- 東南アジア地域における再生材データバンクの活用およびビジネスモデルの構築